損益分岐点 - 固定費

経営戦略に基づき策定した経営施策は企業にどの程度の利益や収益をもたらすかを経営者は計数的に把握することが必要になる。この経営収支を計数的に把握する手法として「損益分岐点分析」を取り上げる。

損益分岐点分析は事業収支計画を見極める手法としてよく使用される。その理由は、この分析が事業収支を表す損益計算書の科目を固定費と変動費という概念で括り、今後の収支分析を容易にしたことにある。固定費と変動費の概念を整理しよう。

(1)固定費

固定費とは「売上の変動に影響されずに固定的に支出される費用」をいう。
その代表的な費用としては人件費、家賃そして減価償却費などがそれに相当する。
◆人件費は社員の給料が主体だから、売上によって変動することはない。家賃も同様である。これらの経費は経営施策によって要員を増員したり、事業所を拡張したりすれば固定費の増分となって現れる。

◆減価償却費は経営施策としての有形固定資産への投資、すなわちコンピュータ投資や工場建設投資などの「もの」への投資によって発生する。
会計上では、こういった「もの」にお金を出して購入すると、お金と同じ価値の「もの」に価値が移ったとみる。財産を指輪で持つか現金で持つかと同様で価値が移転しただけというわけである。価値が同じであるから、この「もの」購入は経費という損失が生じないことを意味していることになるわけである。
ただし、一般に企業が購入するコンピュータや建物は年月が経つと価値が下がり、同じ金額で売ることは不可能になる。この価値の下落分を減価償却費という。会計ルール上では年度単位で減価償却分の金額を決め、下落分を年毎に一定の費用として計上することに決めている。
(このルールには毎年の価値下落を一定額とする「定額法」と毎年の価値下落を一定率とする「定率法」がある。)
この費用も売上によって変動する費用ではないので、固定費であり、「もの」への投資が増大するとこの費用が増大する。
以上、みてきたように、経営戦略を実践するための経営施策での「ひと」の増員、設備としての「もの」の購入はその取得部分に応じた固定費が増加と捉える。それでは、もう一方の変動費はどう捉えるか

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