キャッシュフロー分析-正味運転資金による中期資金計画

(3)正味運転資金による中期資金計画
正味運転資金による中期資金計画はB/S(Balance Sheet:貸借対照表)を用いた年度別の資金繰りの計画である。そのために、まずB/S の見方を整理する。
◆P/L とB/S の関係
企業の営業活動の成果は期末に作成される P/L(Profit&Loss:損益計算書)によって、売上、経費、利益として把握する。この活動は売上を上げ、利益を上げていく活動であるから、最終的に企業の財産(キャッシュに換算できる持ち物)を増やす活動といえる。この財産の増加状態は期末にP/L の利益分がB/S に財産の増加として表示されることになる。

◆B/S は財産状態を表す
貸借対象表には3つの財産状態が表されている。
企業が所有しているものの中で現金や預金で代表される“お金”、商品や固定資産で代表される“もの”、売掛金や受取手形などの“債権(お金回収の権利)”といった「資産」、商品の仕入や銀行からの借入金など相手にお金を支払う義務(債務)がある「負債」、株券発行による資本金や利益に代表される利益剰余金で構成される自分のお金としての「資本」がある。

◆正味運転資金とは
中期資金計画ではこの財産を用いて正味運転資金を捉える。
正味運転資金とは自由に営業

ここでいう「流動資産」とは商品の販売や現金回収の権利を行使することにより“1年以内に現金化できる資産”をいう。たとえば、現金、預金、売掛金、商品などの資産がこれに該当する。
一方、「流動負債」は商品の仕入れや支払い義務を実施することで“1年以内に支払いが発生する負債”を言う。たとえば、買掛金、借入金などの負債がそれに当たる。
正味運転資金はこれらの資産と負債の差であるから、その差がプラスになると、1年の現金収支ではそのプラス分だけ資金余裕が出たことを表していることになる。
すなわち、正味運転資金が増大するということは経営活動における資金繰りを豊かにして行くことであるから、“不渡り”という倒産要因も減少することになる。
中期の資金計画は中期目標に対する営業活動の成果である P/L から予定される各年度のB/S を作成し、正味運転資金がプラスになるように計画することで、計画が完成する。

この正味運転資金の余裕度を見るのに「流動比率」を使用する。
流動比率は流動比率=(流動資産/流動負債)*100 で表され、流動負債に対する流動資産の倍率を見ている。
一般に、流動比率は 120%以上が望ましく、健全な企業活動を営むのに必要な資金的な余裕度といわれている。
資金繰りに関して述べてきた。キャッシュフーローの計画の重要性を認識されたと思う。
そこで、キャッシュに関するもうひとつのテーマを取り上げる。
キャッシュはより多く、より早く回収できると流動比率が高まりますので企業はより健全な経営が出来ることになる。このキャッシュの回収に焦点を当てた投資効果測定法がDCF 法である。

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