コトラーの戦略論

コトラーによれば経営戦略はその企業の市場の地位によって決まるとした。
市場の地位とは「市場リーダー」、「市場チャレンジャー」、「市場フォロアー」、「市場ニッチャー」である。

◆「市場リーダー」
業界、市場・商圏NO1の地位を占める最大のマーケットシェアをもち、市場における経営資源の量と質で独自の優位性(=強み)を持っている企業である。 経営戦略としては、マーケット最大化の維持を図るために、企業の強みを全方面に展開する「全方位対応型のフルカバレッジ戦略」や「シェア維持・拡大と市場支配力の強化」の戦略を採ることが出来る。
ちなみに、日本の自動車業界でいえば、「トヨタ」がこの地位にある。日本はもとより、欧米を筆頭に市場の拡大戦略と強みであるクラウン、レクサスといった中型高級車で地域のフルカバレッジ戦略を採っているようである。
◆「市場チャレンジャー」
業界、市場・商圏で2 位から4 位の地位を占め、常にトップを目指してリーダーにチャレンジしている企業である。リーダーに順ずる経営資源を有している。
経営戦略としては、競争地位の向上が最大の目標になる。リ-ダーと1 対1で正面から対応するには資源が劣るので、製品や市場対応で差別化を図る「リーダー対応型差別化戦略」やシェア拡大のための「下位企業市場の争奪戦略」などの戦略を採る。
自動車業界で言えば、「ホンダ」、「日産」がこの地位に当たる。ホンダは中小型の技術を活かして若者向けの車種「Fits」等を開発し、市場でも真っ先に米国へ進出し、米国の若者人気NO1 の自動車メーカーになっている。
日産はゴーン氏がCFT(Cross Functional Team)により、業務プロセス改革を行い、コスト構造を変えたことは有名である。 また、全機種を日産独自のスタイルへモデルチェンジし、需要を喚起したし、米国においては日本メーカー最初の大型トラック工場をミシシッピー州キャントンに作り差別化を図っている。
この 2 社ともにトヨタより経営資源をより集中し、差別化によるリーダー対抗策をとっている。
◆「市場フォロアー」
業界、市場・商圏でチャレンジャーの下位にあり、経営資源も劣っており、リーダーやチャレンジャーの追従者になっている企業である。
経営戦略としては、リーダー、チャレンジャーとの対決を避け自社独自の優位性を確保する戦略が採られる。研究開発や市場開拓を最小にするための「上位企業模倣作戦」、「コスト低減、利益最大」の戦略が中心になる。経営体力がついた時点で「チャレンジャー戦略」へと移行することになる。
◆「市場ニッチャー」
特定分野、特定市場を選択し、上位企業との競争を避け、特定分野、特定市場でリーダーとなる戦略である。 経営資源は市場リーダーを狙う位置に無いため、経営戦略は特定マーケットシェア最大化・維持が焦点となる。
自動車業界でいえば、「スズキ」自動車等がこの位置にある。 2004 年度は2 兆3千億円超の売上、約4%の利益率を上げ、小型自動車の国内販売台数はメーカーで最大であった。小型車分野に特化し、商店や女性市場に特化したマーケット戦略を採っており、中大型の自動車市場とはまったく違ったニッチといえる市場で牙城を築いていることが分かる。

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