~経営戦略とは その1~

  前回は「ビジネスプロセスコンサルティング」を取り上げました。この中で「ビジネスプロセス」を改革する基本には経営戦略があることがお分かりになったと思います。

 そこで今回はこの「経営戦略」について取り上げてみようと思います。
 経営に関する言葉には「経営理念」「社是」「経営ビジョン」「経営方針」 「経営目標」「経営戦略」「機能戦略」「経営施策」「経営計画」等があり、い ろいろな言葉で経営が語られています。今回はまず、これらの言葉を整理して、経営における経営戦略の位置づけを明確にしたいと思います。

 戦略、戦術という言葉が戦争用語であることはご存知のことと思います。
 戦争ですから敵がいますし、敵を打ち負かさないと自分が殺されてしまいます。
 この相手を打ち負かすためには何らかの戦略が必要になります。

 たとえば、「敵より強力な武器を持つ」等、すなわち、相手が機関銃中心であれば、大砲を持つこと。又は、「敵より多くの兵力を持つこと」すなわち、武器が同レベルであれば、より多くの兵力を持てば相手を打ち負かす戦法が採り易くなります。

 戦術は戦略のもとで敵に打ち勝つための方策です。 
 たとえば、“始めに艦砲射撃を加え、敵の火力を弱体化させて歩兵を上陸させる“、“戦闘機1機の対し、必ず味方2機での挟み撃ちで攻める”などの類です。

 さて、これをビジネス上の経営用語に置き換えて見ますと、経営戦略がここでの戦略に相当します。ビジネス上で競合他社よりより優位に立つために「経営資源としての 人、もの、かねをマーケティング環境で優位に立つためにいかに配置するか」です。

 たとえば、“営業力強化のための営業要員の増強や配置換え”、“生産力強化のための新設備の装備や工場建設”等がそれに当たります。

 経営施策は戦術です。“横浜地区でのテストマーケティング実施”、“インターネットによる販売”、“液晶パネルのOEM化”等戦略を実現するための方策になります。

 それでは、経営用語を「経営理念」から「経営計画」まで順番に整理してみましょう。

 ■「経営理念」:
社是や使命という表現をする企業もありますが、企業が社会における存在価値を表現したものです。言い換えれば、「何のために企業を創立したのか」に応えたもので、企業が存在する限り一般的には普遍的なものとなります。

 たとえば、住友商事の経営理念に“信用を重んじ着実を旨とする”が300年前からあるそうです。お分かりのように、この理念の意味するところは「顧客の信用の下に、誠実で適正な利潤に基づいた生業をする」でしょう。すなわち、理念は企業のアイデンティティ(存在価値)を表現したものです。

 ■「経営ビジョン」:
経営理念の下に企業が存続するにしても、適正な利潤が常に存在しないと破産してしまいます。経営理念も達成できません。常に適正な利潤を上げるとすれば、経営環境の変化に対応して経営を変え、社員の意思を方向付けすることが求められます。

 経営ビジョンはこのような経営環境の変化に対応して企業のあるべきイメージを経営理念のもとに表現したものです。通常、3年や5年ビジョンの形で作成されます。日産の「180計画」は経営ビジョンを数値で表したものです。“1”は販売増台数100万台、“8”は売上高営業利益率8%、“0”は有利子負債0円を表しています。

 ソニーの井深氏は創業時のビジョンとして「真面目なる技術者の技能を最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」と言っておられます。企業のイメージが沸沸と湧き上がるようです。

 第3回はここで終了します。
 第4回は「経営戦略とは-その2」で経営方針、経営目標、経営計画、利益計画についてテーマとします。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする