~経営戦略とは-その2~

前回は「経営戦略-その1」で「経営戦略」「経営理念」「経営ビジョン」を取り上げました。「経営理念」「経営ビジョン」は中期/短期経営計画を作成していくプロセスで基盤となる上位の経営ステップです。経営戦略をもとに経営計画を策定していくための基礎であることがお分かりになったと思います。

そこで今回はこの「経営戦略―その2」として、経営ビジョンから下位の経営ステップを取り上げてみようと思います。そのステップは「経営方針」「経営目標」「経営戦略」「経営計画」「利益計画」です。

経営ビジョンは3年後(一般的にですが)の会社のあるべき姿を描いたものでした。この状態は現状と比較するとかなりギャップのあるものです。そのために、現状をこのビジョンに到達させるための方策を作成します。これが「経営方針」です。
たとえば、IBMでは経営ビジョンとして「サービスビジネス提供企業」を設定しました。このための経営方針は実勢から「コンサルティングサービス」「アウトソーシングビジネス」「SIビジネス」「顧客満足度向上(オンディマンド)」であったと思われます。

方針が決まりますと経営ビジョン達成時の売上、利益や利益率のような達成目標を決めます。これが「経営目標」です。経営目標は現状の経営能力から方針ごとに適切な最終目標と期毎のマイルストーン目標を設定します。

経営目標が設定されると、その目標に沿って経営資源を最適に配分しなければなりません。この経営資源(ひと、もの、かね)の最適配分が「経営戦略」となります。経営戦略については前回で述べていますので省略します。ここでは経営戦略の位置づけを抑えておきました。

経営戦略による経営資源の配分は「何時」「どこに」「どんな方法」を考慮することで経営計画での経営施策となります。それが戦略に対する方策になるからです。
「何時」は経営ビジョンを達成するまでの各期を捉えます。
「どこに」は経営戦略を実施する事業組織になります。
「どんな方法」とはその戦略が既存事業に対するものであれば既存組織機能の強化、新規の事業や顧客満足度向上のような全社機能の戦略であればプロジェクトで進めることになります。
経営ビジョンまでの目標に対し期(=年度)ごとにまとめられた経営施策は利益計画と資金計画により調整され「中期経営計画」が作成されます。

来期分に対する経営施策は月度ごとに詳細施策に展開され、月度の利益計画、資金繰り計画を加味して「短期経営計画」が作成されます。
「利益計画」とは売上予算、費用予算そしてその差としての利益(=儲け)を計画したものです。
「資金計画」は手元に残る現金の計画です。通常、会社間の取引は販売して売上として計上しても、請求後2~3ヵ月後にお客様から入金されることになります。すなわち、売上と入金のタイミングがずれますので資金の手当てをしないと仕入れ代金や給料が払えなくなります。仕入れ代金が払えないと“不渡り”となり、企業が倒産してしまいます。このために、入金時期と出金時期を調べ現金の過不足を計絵画する必要が出てきます。
資金計画は中期経営計画では年度での正味運転資金(≒現金)過不足を見ますが、短期経営計画では月度の資金計画、すなわち現金・預金の過不足としての「資金繰り計画」として捉えます。
経営施策、利益計画、資金計画が統合されて「経営計画」と言われます。

第4回はここで終了します。経営戦略とその位置づけが概ね理解されたと思いますので、つぎの第5回は「経営戦略策定の考え方」のテーマにしようと思います。

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