~経営戦略策定の考え方-その1~

前回は「経営戦略-その2」で「経営方針」「経営目標」「経営戦略」「経営計画」「利益計画」を取り上げました。 経営戦略をもとに経営計画を策定していくための基礎であることがお分かりになったと思います。
そこで今回はこの「経営戦略策定の考え方」として、経営戦略を策定する際に基本とすべき考え方を取り上げてみようと思います。

企業が経営戦略を立案するのは、同業他社に対する競争優位性を保ち、収益を上げ経営ビジョンを確立することにありました。とすれば、「競争優位性を保ち、収益を上げるような経営戦略はどんな考え方の下に立案すれば良いのか」が今回のテーマです。
収益を上げるために、多くの新製品を作り、販売店や営業要員を増やし、生産体制を強化して原価を低減する等々ありますが、本当に収益としての売上や利益が高まるのでしょうか? これらは結果としての戦術でしかありません。

■収益向上の基本的考え方-第1は「顧客価値の創造」ができる戦略であることです。
顧客価値の創造とは一言でいいますと、「お客様が儲かること」「お客様に満足されること」です。たとえば、お客様へのサービスの質が向上したり、品質の良い安価な商品を納期どおりに納めたり、お客様のニーズに合った商品やサービスを提供する等によって顧客価値が高まれば自ずとそのビジネスは受け入れられることになります。すなわち、このようなビジネス分野に経営資源を振り向ける戦略を立案しなければならないと
言うことになります。

■収益向上の基本的考え方-第2は「ベストプラクティス」を導入することです。
ベストプラクティスとはベストですから「最善」、プラクティスとは「業務プロセス」、すなわち、「最善の業務プロセス」を導入することを意味しています。最善の対象は顧客ですから顧客価値を最大にする業務プロセスといっても良いわけです。PCメーカのデルが快進撃しています。何時でも発注でき、安くて品質が良く、短納期で納入すると言った顧客価値を捉えた業務プロセスを持っているのかもしれません(デルモデルは後日、どこかで講義題材として取り上げる予定です)。そのように、戦略として顧客価値創造に最善な業務システムを作り上げるためのベストプラクティスを引用することです。

■収益向上の基本的考え方-第3は「コアコンピタンス」を持つことです。
コアコンピタンスを持っているということはお客の価値を創造する同業他社と違った独自の企業競争力を有しているということです。競争力には商品、技術、チャネル網といった個々の能力と顧客対応スピード、低原価での生産プロセス、組織学習力といった組織能力があります。これらをコアコンピタンスといいます。競争相手に対しコアコンピタンスが上位になれば優位性が確保できて、顧客に対してより優位な差別化ができることになります。コアコンピタンス強化の戦略を打ち出すことです。

■収益向上の基本的考え方-第4は「選択と集中」を行うことです。
どんなに大きい企業、どんなに優良な企業でも経営資源(ひと、もの、かね)には限度がありますので、あらゆる分野に投資することは不可能です。とすれば、顧客価値を最大に伸ばすことのできる分野へそうでない分野の資源を集中せざるを得ません。その集中する分野を的確に選択することです。戦略は顧客価値を最大にする分野を選択し、経営資源を集中することでもあります。

第5回はここで終了します。経営戦略策定の考え方第1から第4で顧客/市場の観点でみた戦略策定の考え方をお話ししました。つぎの第6回は自社内の観点での戦略策定の考え方を「経営戦略策定の考え方-その2」のテーマにしようと思います。

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