PPM-4つの経営戦略論

前回は「経営戦略論-ランチェスターの戦略2」でマーケットシェアとその戦略に焦点を当てました。 今回は経営戦略論の第3弾として市場における事業ポジショニングにもとづく戦略であるボストンコンサルティンググループ(=BCG)が提唱したPPM(Product Portfolio Management)を取り上げます。

ランチェスター戦略でマーケットシェア(=市場占有率)が戦略に与える影響を見てきました。PPMでは企業の商品や事業(=同種商品群の集まり)の市場占有率と市場の成長率から市場位置を4つの象限に整理し、成長のための戦略を導き出す商品や事業のポジション決めました。
この企業の商品や事業は企業の存亡をかける戦略商品であることからSBU(=Strategic Business Unit)、戦略事業単位と名づけています。

4つの象限とは
*「市場占有率が高く」且つ「市場成長率の高い」象限
*「市場占有率が高く」且つ「市場成長率の低い」象限
*「市場占有率が低く」且つ「市場成長率の高い」象限
*「市場占有率が低く」且つ「市場成長率の低い」象限
のことです。

ポジションとは“自社のSBUが4象限のどこの象限に存在するか“の位置をいいます。
その4象限のポジションにあるSBUに対し「花形商品」「金のなる木」「問題児」「負け犬」の名称をつけました。

(1)「花形商品」とは
市場の占有率が高く、市場成長率の高い位置づけにあるSBUです。たとえば、液晶TV、ディジカメ、カメラ付き携帯等を有するメーカーのSBUはこの位置づけです。商品のライフサイクルでいうと、成長期の段階にある商品です。
市場が成長していますので、新規参入する競合企業は多くなり、他社との差別化をするための研究開発やコスト低減努力が必要になります。企業目標としては、絶えず成長商品であるための努力により競合他社をより引き離し、安定的な収益の上がるSBUに作り上げていくことになります。

(2)「金のなる木」とは
市場の占有率が高く、市場成長率が低い位置づけにあるSBUです。たとえば、白物家電といわれる冷蔵庫、洗濯機、炊飯器や必需品となった時計等、今や生活を営むのに必須な商品であることから、ある程度の需要は見込めますが、急成長は期待できないSBUはこの位置づけです。商品のライフサイクルでいうと、成長期を過ぎて安定期の段階にある商品です。技術的にも完成しており、市場の成長は安定していますので、改めて投資・新規参入する企業は少なくなります。しかし、余分な新製品開発の投資は小さいSBUであり、シェアは高いことから、安定的な収益が確保できるSBUです。
ただ、油断をしていますと、つぎの問題児や負け犬のSBUになってしまいます。
たとえば、電話機はコピーやFAX付きの電話機へと進化しています。従来の電話機は現在、市場にはありません。

(3)「問題児」とは
市場の占有率が低く、市場成長率が高い位置づけにあるSBUです。市場は高成長の状態であるにもかかわらず自社のSBUの占有率が低いのですから、当該企業にとって、このSBUは競合他社に出遅れたSBUです。市場が要求しているのですから、早急に投入市場を見極め、開発投資を実施すべきSBUであるといえます。

(4)「負け犬」とは
市場の占有率が低く、市場成長率が低い位置づけにあるSBUです。市場が低成長で占有率が低いのですから、当該企業にとって、このSBUは撤退すべきSBUです。
金のなる木」や「問題児」の位置にあるSBUも投資のタイミングを間違えるとこの「負け犬」のSBUになってしまいます。
市場のニーズ、すなわち市場の成長率お見極め、市場の占有率を高めることが経営戦略として重要なことになることが理解できます。

第14回はここで終了します。PPMでは市場成長率と市場占有率の関係からの戦略の捉え方を述べてきました。そこで、次回は経営戦略論の第4回目として、SBUの成長を促す市場ニーズ要因である「差別化戦略」を取り上げます。

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