~バリューチェーンと5つの競争要因分析-3~

前回の「バリューチェーンと5つの競争要因分析―2」では「5つの競争要因分析」の中の2つの競争要因である「既存競合者同士の敵対関係」「新規参入の脅威」を取り上げました。 今回は残りの3つの要因である「代替製品・代替サービスの脅威」「買い手の交渉力」「供給者の支配力」そして「業界を制するには」のテーマを取り上げます。

■「代替製品・代替サービスの脅威」とは現在の市場で競合関係にある商品、サービス とまったく違う商品やサービスで同様の機能を果す代替の商品、サービスが出現す脅威です。
たとえば、JRの貨物輸送は代替サービスであるクロネコヤマトの宅配便の普及によって大幅に貨物予想の市場を奪われてしまいました。ディカメは従来のカメラやフイルム産業を大幅に侵食しています。今後、コンビニで大衆薬が販売できるようになると、従来の薬局は大きな打撃を受けます。まったく異なる業態から薬局を代替する競合企業が参入することになります。
このようにまったく異なるサービス形態や技術から生まれる商品はまったく違った分野からの競争者を増やすことになり、競争激化の要因となります。

■「買い手の競争力」とはこの競争環境の買い手であるお客様との関係です。
お客様が強い業界、すなわち供給者過剰の業界であれば、顧客が主導権の下で販売価格が値引き等により低く押さえられてしまいます。利益が上がらず、競争するには厳しい環境となります。買い手に対する販売の主導権の可否が競合激化の要因となります。

■「供給者の支配力」とは仕入先との関係です。
メーカーから商品を仕入れる場合に、仕切値がメーカー主導で決定される環境、すなわちメーカーの力が強く、販売店がメーカー定時の仕切値をそのまま受け入れざるを得ない状況にある販売店側の業界です。
供給者に対する仕入の主導権の可否が競合激化の要因となります。

以上の要因は5つの要因の1つである「既存競合者動詞の敵対関係」をさらに高めていく要因となります。
これらの競争要因は多くのの業界で見受けられますし、良く分かります。

「ただ、どうすればこの競争環境から抜け出して高収益を上げる企業に成るのでしょうか?」

 ポーターはこの5つの競争要因のいずれかを凌駕した企業が業界を制することができるといっています。
たとえば、ヨドバシ、ビックカメラ等の電気量販店は好業績を挙げています。その背景を調べると、商品の仕入れはメーカーに対し市場価格を基に仕入れ価格を要求しているようですし、顧客がこれらの量販店で値引き要求しているのを余り見かけません。
すなわち、「供給者の支配力」と「買い手の交渉力」の要因を凌駕しているようです。
このように競争要因を凌駕する他企業と差別化した「差別化戦略」、高品質低価格による「コストリーダーシップ戦略」、特定分野や特定市場を狙った「集中戦略」を採ることであるとポーターは言っているわけです。

第20回はここで終了します。
今回はM.E.ポーターの「5つの競争要因分析」の後半を採り上げました。
次回は経営戦略策定の手法として最も有名で、世界のデファクトスタンダードになっている「SWOT分析」のテーマを取り上げようと思います。

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