~SWOT分析-1~

前回までのM.E.ポーターの「バリューチェーン分析」、「バリューチェーンと5つ の競争要因分析」で、企業にとっての経営活動の強みや弱みである内部環境要因と外部環境であるマーケティング環境における競争要因を取り上げました。 
今回はこれらの要因をもとに戦略を策定していく手法として「SWOT分析」をテーマとして取り上げます。

SWOT分析は前述の経営環境要因、すなわち「内部環境要因」、「外部環境要因」から経営戦略を作り上げるための手法です。
SWOTではその環境要因を「強み」「弱み」「機会」「脅威」に分類します。
SWOTの名称は強みの「Strengths」、弱みの「Weaknesses」、機会の「Opportunities」、脅威の「Threats」の頭文字をとって名づけられています。

■「強み」要因とは
 経営活動における経営機能や経営資源が競合他社より競争優位性のある要因を自社の内部環境として有しているとき、その要因を「強み要因」と言います。
たとえば、経営機能の1つである製造機能で、“有力な家電製造技術を有している”、“改善提案情報の共有のしくみ”等や、経営資源(ひと、もの、かね)として、“生産性の高い製造スキル要員がいる”、“プロジェクトマネジメントの出来るSE集団”、“ブランド商品を有している”などは「強み」の要因です。
第5回で述べた「コアコンピタンス」を有している要因のことです。
 
■「弱み」要因とは
 経営活動における経営機能や経営資源が競合他社より競争優位性のない要因を自社の内部環境として有しているとき、その要因を「弱み要因」と言います。
 強み要因とまったく逆の要因として捉えれば良いでしょう。

■「機会」要因とは
 経営活動において自社のコントロールできない外部環境要因で今後収益の可能性を見込める要因があるとき、その要因を「機会要因」と言います。
たとえば、原価低減を図りたい製造メーカにとって、“中国の安い労働市場が拡大している”という要因は機会要因ですし、“e-Japanが進展する”という要因はネットワーク技術を有している企業にとってはビジネス収益の市場が広がるわけですから機会要因となります。

■「脅威」要因とは
 経営活動において自社のコントロールできない外部環境要因で今後収益の可能性を損なう要因があるとき、その要因を「脅威要因」と言います。
たとえば、スーパー業界にとって“ウォールマートが日本へ進出する”という要因はGMS(General Merchandise Store:総合スーパー)のビジネス市場を確実に減少させるので脅威要因ですし、“一般薬の規制緩和(コンビニ等での販売を可能にする)”という要因は従来の薬局にとっては自社のビジネス市場を確実に縮小するので脅威要因というわけです。

 整理しますと、「強み要因」と「弱み要因」は競合他社と自社の関係で捉えますので、一意的に決まりますが、「機会要因」と「脅威要因」は企業の立場により機会に もなり、脅威にもなります。
 と言いますのは、前述した“ウォールマートが日本へ進出する”の要因もGMSにとっては「脅威」かもしれませんが、GMSの仕入先にとっては市場が増えることになり、「機会」となります。企業の立場によるわけです。

第21回はここで終了します。
今回はテーマを「SWOT分析―1」とし、SWOTの用語の説明をしました。
次回はこのSWOTを使って経営戦略策定の要因であるCSF(Critical Success Factor:重要成功要因)創出の考え方を「SWOT分析-2」として取り上げようと思います。

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