~SWOT分析-3~

前回までの2回は経営戦略策定の主要メソドロジーであるSWOT分析の言葉とCSF の解説を取り上げました。
今回はこのSWOTからのCSFを用いて定義する「事業ドメインの定義」をテーマとして取り上げます。
 
(1)事業ドメイン
事業ドメインとは日本語では事業領域と翻訳されます。すなわち、商品やサービスを 販売する相手先である市場や顧客を指します。
事業ドメインの定義には「顧客や市場」の定義、その顧客へ売るべき「商品やサービス」の定義、その商品やサービスを買いたいという「顧客や市場のニーズ」の定義を含むことが必要になります。
この中でもっとも重要な定義は販売すべき「商品やサービス」の定義です。
というのは、顧客にニーズを抱かせるような商品やサービスがなければ事業ドメイン は成り立ちません。このような商品やサービスは同業他社と比較して優位性のあるものでなければなりません。
優位性があるとは、その商品やサービスに「他社の真似できないような自社ならではの価値を提供する力」があることです。これをコアコンピタンスと言います。
このコアコンピタンスを有する事業ドメインを整理すると、事業ドメインを定義する3要素は「顧客や市場」の「ニーズ」対応した「商品やサービスの提供に必要なコアコンピタンス」を含む必要が有ることになります。

(2)コアコンピタンス
さて、このコアコンピタンスとSWOT分析で定義したCSFとはどんな関係があるのでしょうか?
アマゾンドットコムの例で見てみましょう。この企業の創業時のCSFは「300万種の本が揃っていること」、「24時間365日の受注ができる仕組みがあること」、「受注に対応した物流体制が執れること」などがありました。
こういったCSFが組み合わされてインターネットによる書籍販売の事業が出来上がりました。
コアコンピタンスはこのようなCSFを実現できる能力になります。
CSFである「300万種の本が揃っていること」に対して、出版社との十分な業務提携が存在していれば、これはコアコンピタンスになります。FedExとの連携があれば、CSF「受注に対応した物流体制が執れること」のコアコンピタンスになるわけです。
CSFとコアコンピタンスの関係を述べてきましたが、コアコンピタンスには現在、所有しているコアコンピタンスとCSFを成就するために求められる今後のコアコンピタンスが存在します。
コアコンピタンスの定義では現有の能力を言います。しかし、事業は現有のコアコンピタンスと今後の事業の収益を向上させるためのコアコンピタンスを育成することが必須です。
すなわち、コアコンピタンスは現有のコアコンピタンスと今後のコアコンピタンスが存在することになります。
この今後修得すべき今後のコアコンピタンスがCSFのために必要な事業施策となる訳です。
ただ、事業ドメインが多くの現有のコアコンピタンスで成り立てば、少ない投資で事業を遂行できますが、将来の成長を図るには今後のコアコンピタンスの育成が必須であることはご理解できると思います。

第23回はここで終了します。
今回はテーマとして「SWOT分析―3」とし、経営戦略策定の要因であるCSF、コアコンピタンス、事業ドメインを取り上げました。
次回はこの事業ドメイン定義の考のもとに、経営施策や事業施策へ展開するためのメソドロジーである「バランススコアカード」を取り上げます。

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