~バランススコアカード-1~

 前回までの3回は経営戦略策定の主要メソドロジーであるSWOT分析を取り上げました。
今回はこのSWOT分析で定義された事業ドメインを用いて経営施策を定義するメソドロジーである「バランススコアカード」をテーマとして取り上げます。
 
バランススコアカードはロバート・S・キャプラン、デビッド・P・ノートンによって開発されました。
現在、多くの企業で経営施策策定のためのデファクトスタンダードツールとして活用されています。
このメソドロジーは、経営ビジョンと経営戦略を成功裡に成し遂げるための視点を設け、その視点の下で経営施策を策定することに焦点を当てています。
この視点とは「財務の視点」、「顧客の視点」、「内部業務プロセスの視点」、「学習と成長の視点」です。これらの視点を用いると企業が経営施策を実施する全ての分野をカバーできるというわけです。

◆「財務の視点」とは、
 経営戦略を成功させるためにはそのための最終成果目標とそのための施策が必要であるから、その視点での施策や目標を設定しなければならないとしています。
たとえば、策定した経営戦略で「売上を向上させるのか」、「利益を向上させるのか」、「コストを低減させるのか」等のいずれを成し遂げたいのかをまず、決めることです。その後、その達成の大きさである成果目標、すなわち売上高や利益を設定することを1つの視点としています。

◆「顧客の視点」とは、
経営戦略を成功させるための施策の2番目の視点は顧客の視点です。
経営戦略が成功するためには顧客が満足すること、すなわち「顧客満足度」高める施策をとらなければならないとしています。通常、顧客は品質が良く、安価で、且つ適時の納期などの満足度要件を求めます。それらの要件を満足する施策がなければならないというわけです。
たとえば、「不良率の低下」、「原価低減」、「納期短縮」などの顧客を満足させるための施策が必要といっているわけです。

◆「内部業務プロセスの視点」とは、
 経営戦略を成功させるための3番目の視点です。
経営戦略が成功するためには組織機能や業務処理、業務プロセスにコアコンピタンスのある仕組やプロセスを有していなければならないといっています。
たとえば、流行のファーストフード店やコンビニ店では安全で、同質の商品を揃え、保管する仕組みを有していますし、不快感を与えない顧客対応ができています。
このように、戦略成功のためには「製造工程の標準化」「品質管理の徹底」「業務の標準化」などの施策が必要なわけです。

◆「学習と成長の視点」とは、
 経営戦略を成功させるための4番目の視点です。
経営戦略が成功するための社員の能力の向上や情報の伝達や共有の仕組みに対する施策が必要であるとしています。経営者や管理者からの指示や効果的な改善提案などを共有できる仕組みが必要というわけです。
たとえば、経営施策を円滑に実施できるためには、経営者や管理者からの指示が速やかに伝達できる仕組み、業務の改善やスキルを社員が共有し、組織としての改善ができるための「情報共有」などの施策が必要になります。
以上の4つの視点を満足することで、最終成果としての経営戦略目標を達成することになるというわけです。

第24回はここで終了します。
今回はテーマとして「バランススコアカード―1」としてバランススコアカードの基本要素である4つの視点を取り上げました。
次回はこの考え方をもとに、バランススコアカードの使い方を「バランススコアカード-2」で取り上げます。

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