~ビジネスモデル-2~

前回はビジネスモデルを作図するための前提要件と作図の基本原則を整理しました。
今回は、想定した事業と作図の基本原則をもとに正の影響要因である変動要因を作り出し、インフルエンスダイアグラムを作図してみましょう。

作成するビジネスモデルの事業ドメイン定義は前回の27回メルマガから引用します。

その事業定義は

・この事業の事業価値は「利益の増大」で、
・コアコンピタンスとして、「提案型営業」を有しており、
・経営施策として、「顧客嗜好性DBシステムの構築」、「営業員の育成投資」、「SEの育成投資」、「インターネット販売サイトの構築」がバランススコアカードに  よって施策展開されている。

でした。

 この前提をもとに、前回メルマガでご紹介しました作成基本原則の考え方を使用してインフルエンスダイアグラムを作図してみましょう。

インフルエンスダイアグラムは事業のビジネスモデルをシュミレーションして描くのですから、事業のビジネスの流れ(=事業サイクル)に沿って経営施策が円滑に展開されていることが確認されるべきです。
そうしますと、その確認できる事業サイクルに対する記述の枠組みを抑えておくことが必要になります。

(1)事業サイクルの捉え方
事業サイクルにおける活動には「企画/計画活動」、「販売活動」、商品の納入やシステム開発・導入といった「実装活動」、商品納入後の「アフターフォロー活動」があります。
経営施策やコアコンピタンスはこの事業サイクルのいずれかの活動に属し、強化する要件であるはずです。
ということは、経営施策やコアコンピタンスは事業サイクルの流れに沿って検証をすれば良いことになります。
 
それでは、ビジネスモデルを事業サイクルの観点で構造化してみましょう。

(2)ビジネスモデルの構造化

手順1:経営施策とコアコンピタンスを事業サイクル活動に沿って分類する。

経営施策はこの事業活動のどこかの区分に分類されるはずです。この分類に基づいて分類された経営施策を分類します。

手順2:事業サイクルの活動の繫ぎの変動要素を想定する。

事業サイクルにおける活動は「企画/計画」→「販売」→「実装」→「アフターフォロー」→「企画/計画」・・・といった活動のサイクルを作ります。活動が連携する以上、その間には繫ぎの影響因子としての変動要素が存在するはずです。
   
たとえば、

・「企画/計画」と「販売」の間の変動要素としては、「実現可能性の高い販売計画が作成される」などがあるでしょうし、
・「販売」と「企画」の間の変動要素としては、「受注が増大する」が「実装」活動への繋ぎの影響因子となります。
・「実装」と「アフターフォロー」の間の繋ぎの変動要素は「・・・の実装作業が成功裡に完了する」という影響因子になります。たとえば、ITベンダーの場合ですと「システムの成功裡な導入」という変動要素となるでしょう。
・「事業価値」に至る変動要素は事業価値に直接的に繋がる変動要素です。

たとえば、今回のように事業価値が「利益の増大」であれば、この事業価値に至る変動要素は「売上の向上」や「コストの低減」となるでしょう。
    
この2つの変動要素は「実装」の変動要素からの繋ぎの変動要素となります。

 以上のように、事業サイクル活動の繫ぎの変動要素が決まりますと、経営施策から生じる変動要因をこの繫ぎの変動要素に繋げるように作図していけば良いことになります。

(3)インフルエンスダイアグラムの作成

手順1:事業サイクル活動の経営施策に対する変動要素を作る。

変動要素は影響因子ですから、連想ゲームの発送で連続性を持たせた発想で作ります。

たとえば、事業サイクルの販売活動における経営施策に「顧客嗜好性DBシステムの構築」があります。この経営施策の変動要素を連想するには施策が成就した状態、すなわち、このシステムが構築された状態を想定して、変動要素として「顧客の特性把握が出来る」を連想し、この変動要素をもとに後続の変動要素として「セグメンマーケティングが出来る」を連想します。さらにこの「セグメントマーケティングが出来る」の変動要素は「顧客の評価が高まる」という変動要素を発想し、連結されていきます。

手順2:事業サイクル活動の繫ぎの変動要素に繋げる。

変動要素の連想は活動の繋ぎの変動要素を設定してあることから、その繋ぎの変動要素を目標にして変動要素を連想できるので連想する目標が近くなり、発想およびその連想が楽になります。

手順3:最終の事業価値へ変動要素を連携する。

この例では、事業価値を「利益の増大」ですので、この事業価値に直接連携する変動要素は「売上が増大する」と「コストが低減する」の2つの変動要素になります。
以上の手順を通して、ビジネスモデルがインフルエンスダイアグラムを用いて、シミュレーションできることになります。
 
インフルエンスダイアグラムは経営施策の連携を動的に捉えることが出来ることで、バランススコアカードで体系化した静的な経営施策を検証することが出来るメソドロジーとなるわけです。

第28回はここで終了します。
ビジネスモデルを作図するための設計と描き方を整理しました。
次回は、対外的なビジネスモデルとして代表的な「サプライチェーンマネジメント」を取り上げます。

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