~サプライチェーンマネジメント-3~

前回は、サプライチェーンマネジメントがキャッシュフロー経営といわれる所以を解説しました。今回は「サプライチェーンマネジメント-3」として、「サプライチェーンシステムのしくみ」を、デルコンピュータを例に取り上げます。
 
サプライチェーンマネジメントが成功するにはサプライチェーンとデマンドチェーンを一致させることでした。
デルコンピュータにおけるこの両チェーンの一致度合いを取引の流れから見てみましょう。

(1)顧客からの受注
顧客からの受注はインテーネットによる24時間365日のリアルタイム受注形態です。この受注履歴を分析すれば、デル商品に対する顧客の需要変動が即時にリアルタイムで分かることになります。製造と販売部門で来月の生産見込みや販売見込みを立てる「製販会議」を開催する必要が無くなります。毎日、精度の高い生産計画を実施することができます。
サプライヤー(=仕入先)、工場共にこの状況を把握しておけばあまり在庫を持つことなく対処することが可能です。

(2)工場への生産指示
顧客からの受注はデルのアセンブリー工場(製品組み立て用の工場)へ即時生産指示として発行されます。工場ではその生産指示を受けて、サプライヤーへ部品購入の発注書が発行されます。

(3)サプライヤーからの部品納入
サプライヤーはサプライヤー向けのシステムを通じて、デルの顧客の受注履歴とその受注分析情報をリアルタイムに常時確認できる状態にあります。
すなわち、発注書が無くても部品または中間製品の毎日の必要量および発注予定量が表示され、確認できますので顧客の需要量に合った生産を前もってできるわけです。
また、このサプライヤーの部品生産状況は常時デルのシステムに反映されますから、デルの工場も発注可能量を容易に把握できることになります。
したがって、デルからの注文書に沿って即時、注文量が出荷されます。

(4)工場出荷から顧客への納入
デルの工場での組み立ての生産状況も常に反映され、サプライヤーは部品の必要量をより精度よく把握できます。完成品はFeDexを通して顧客へ配送・納品されることになります。Fedexはその配送状況を配送拠点ごとにデルのシステムへ反映します。

(5)顧客への情報提供
顧客は注文してから納品されるまでの、生産、出荷、配送の納品ステータス情報をデルのインターネットシステムを介して常時照会することが可能です。

デルコンピュータの顧客受注からの取引の流れを見てきましたが、サプライチェーンマネジメントの中核に情報システムによる情報の同時共有が存在することがお分かりになったと思います。
すなわち、この情報共有のシステムこそがデマンドチェーンとサプライチェーンの間の情報と物の流れを一致させ、仕入先、自社、販売店の在庫を最小にしているわけです。

第31回はここで終了します。今回はサプライチェーンシステムの仕組みをまとめました。
次回は、事業の収益分析の基本である「損益分岐点分析」を取り上げます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする