情報戦略とは

前回までは経営戦略のテーマを取り上げました。今回から情報戦略のテーマに移ります。

その第1回は「情報戦略とは」と題して、企業の経営戦略における情報戦略の位置づけから話を進めて見ようと思います。
 
平成11年の通産省の資料に「経営戦略目的適合性システム」という言葉があります。
このシステムの意味は「情報システムは経営戦略に沿って構築し、経営活動の一貫として捉えたシステムである」ということを言っています。この時期に諸外国のIT化事情から日本として情報システムに対する認識を変えたことを意味しています。

従来の情報システムに対する情報戦略は業務処理の迅速化と省力化に対するものでした。

しかし、近年のIT技術の進歩に裏打ちされた経営戦略のスピード化要求は情報戦略の考え方を業務処理から経営判断の的確化、迅速化のための経営の基盤へと変えてきています。

経営は経営活動によって支えられているわけですが、“情報システムはこの活動のどこに位置づけたものであるべきなのでしょうか?”この命題が今回の中心テーマです。

◆経営活動と経営目標
経営活動を行うには経営機能が必要です。経営機能には生産機能、販売機能、物流機能、経理機能など企業の組織として構成されている役割です。
ただ、この機能が収益向上を目指す経営活動とするためにはその収益の目標が必要となります。最終的な売上高や利益といった経営目標を設定するということは、その経営活動を構成している経営機能に対する目標へ整合性をもって設定することが必要になります。

すなわち、経営目標の達成はこの目標の下位目標である経営活動の経営機能目標が達成出来て可能と成るわけです。

この経営機能目標には、生産機能では製造原価や生産数量、品質等がありますし、販売機能では売上価格や販売数量など、物流機能では物流費や配送リードタイムなどがあります。

◆目標とビジネスプロセス
この目標を設定しますと、経営機能はこれを達成するためにプロセスを形成することになります。たとえば、利益目標を達成するためには生産機能の目標を達成し、販売機能に受け継いで販売目標を達成し、その目標を引き継いで物流機能の目標を達成することで始めて経営目標としての利益目標を達成することが出来ることになります。

各経営機能の内部を見ても同様名プロセスを形成することが必要になります。
すなわち、経営機能は目標が設定されるとビジネスプロセス(=業務プロセス)を作る必要が出てきますので、“目標は経営機能をビジネスプロセスに変換する”と言い換えてよいと思います。この目標に向かってビジネスプロセスをより効果的に遂行するために情報システムが存在しているわけです。

◆情報システムの構造
ビジネスプロセスはひと、もの、かねの経営資源を活用して目標を達成していく手続きですから、その手続きのために「誰が」、「何を」、「何時」、「どれだけ」作り、販売したといった経営資源の活動情報が迅速かつ的確に伝達・共有されることで目標達成のための円滑な業務の遂行が可能になります。

そうしますと、情報システムの機能には逐次変化する経営戦略の経営目標に沿ってビジネスプロセスを円滑に遂行するための経営機能と経営資源の間の活動情報の「伝達」、「共有」、「フィードバック」、「評価/是正措置」が求められることになります。
そういった機能を持った情報システムの構造が経営戦略適合性システムを構築する上で必須となります。
それでは、そのような情報システムは如何にして構築していくかを紐解いてみましょう。

そのためには、
(1)情報戦略策定プロセス
(2)情報戦略策定の考え方
(3)ITガバナンス
(4)IT化モニタリング
(5)情報戦略策定メソドロジー
以上の5分野を大きなテーマとして取り上げていく必要があります。

第37回はここで終了します。今回は情報戦略の位置づけについて取り上げました。
次回は、「情報戦略策定プロセス」を取り上げます。

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