情報戦略策定プロセス-その1

 前回は「情報戦略とは」と題して、企業の経営活動における情報システムの位置づけを捉えました。今回はこのような情報システムを構築するための手順である「情報戦略策定プロセス」を取り上げます。
 
 情報戦略策定のプロセスは経営戦略を記述した「経営戦略企画書」をもとにすすめられ、「戦略情報化企画書」を作成するまでのプロセスになります。
 
 このプロセスは大きく4つのステップである「方針確定」、「システム分析・評価」、「戦略計画」、「戦術計画」で構成されます。それぞれのステップを概説しましょう。

 (1)「方針確定」ステップとは、
 経営戦略企画書に基づいて、情報化の目的・範囲を明確化と戦略情報化企画書を策定するまでの方法論/技法や必要資源(要員、設備や資金)を踏まえたマスタースケジュルを作成することになります。
 
 この作業はあくまでも経営戦略で策定された情報化施策と予算のもとに実施されることにあります。

 (2)「システム分析・評価」ステップとは、
 経営戦略の目標のもとでの情報化目的、範囲と現状のシステムの間のギャップを把握し、情報化の対策とすることです。
 その情報化の対策の策定ステップは以下の4つのステップを踏んだプロセスとなります。

 ◆「IT動向分析」:IT技術動向を把握し、「現行技術」と「将来技術」の識別をし、今回の情報システムに適用することの採否を決めます。この採否の判断基準は情報システムに求められるライフサイクル(=システムの寿命または何時まで有効性を持たせるか)と採用した場合のリスクの大きさによります。システムライフサイクルの長いシステムであれば、将来技術を踏まえたITの採用が必要になるわけです。
  リスクもそれなりに高くなります。

 ◆「To Be ビジネスプロセスモデルの作成」:To Beとは「あるべき」という意味であり、ビジネスプロセスとは「業務処理の流れ」です。
  すなわち、経営戦略もとでの経営施策に沿った新しい業務プロセスを作ることを意味します。経営施策に沿った情報化目標に対して採用したITを用いて業務プロセスを作り上げることになります。

 ◆「As isシステム分析」:As isとは「現状」という意味であり、現行の業務プロセスにおける情報システムを調査・分析することを意味しています。

  調査分野には情報システムの機能面と運用面があります。情報システムの成果物や使い勝手の観点で調査することになります。

 ◆「ギャップ分析」:As isシステム分析をもとにTo Beビジネスプロセスモデルが対比され、システム機能面、運用面、導入技術面から対処すべき改善策が策定されることになります。

 情報戦略策定でのギャップ分析は経営戦略を受けて策定されることから、ビジネスモデルに対応した最適なビジネスプロセスモデルのための情報化対策が策定されることになります。

 この情報化対策には、顧客の関係性を強化するためのCRM(=Customer 
 Relationship Management)システム的意味合いの強い対策であったり、業務プロセス連携に焦点のあたった基幹系システムや社内のコミュニケーションを強化する情報共有の色彩の濃いシステムなどが出てまいります。

 この種々の対策を経営施策に合わせて情報化構築をすることで経営戦略目的適合性システムを目指すための情報戦略が出来上がることになります。

 第39回はここで終了します。今回は情報戦略の策定プロセスの上位ステップについて取り上げました。

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