情報戦略策定の基本原則-その2

前回は「情報戦略策定の基本原則-その1」と題して、情報戦略を作成するための考え方である基本原則の前段を取り上げました。今回はこのプロセスを進めるに当たっての基本原則の後段を取り上げます。

後段の最初の原則は「期間の適切性の原則」です。
 
◆「期間の適切性の原則」
 情報システムの納期は経営計画によって短期、中期の予算と納期が定められています。
その納期達成目標を確実なスケジュールとするために、通常は作業スケジュールの経過の目標であるマイルストーン(=中間目標)を設定し、期間の適切性を確保します。
情報システム期間は経営戦略を実施する時期に合わせて要求される機能を持った情報システム化を経営計画に盛り込むことが必要です。

◆「説明責任の原則」
 情報戦略の企画策定はスポンサーをはじめプロジェクトメンバーを含めて利害関係者がいます。企画されたスケジュール、役割について各利害関係者の責任を明確にし、計画目標を適切な責任者がモニタリングできるようにすることです。

◆「周知の原則」
戦略情報化企画が承認されたら、その内容は関係者に全て周知、徹底する。単に、プロジェクトや情報システム運用管理の効率的遂行の観点だけでなく、最終目標に対する自分の作業の位置づけを認識させる。このことで、担当者の意識付けが大きく変わることになるからです。
次のような喩え話がある。“ある石膏が石を切っていた。何のために石を切っているのかと尋ねた時、ローマの神殿を作り上げるために石を切っていますといった石工のグループの生産性は見違えるほど違っていた。”
明確なビジョンや目標は人の心を動かし、モラルの向上も図る力を持っているということでしょう。

◆「成果測定性の原則」
 情報システム開発時、運用時共に達成すべき成果としての目標がある。この成果目標はその情報収集が可能で、測定できるものであることが必要です。成果測定するための実績データは情報システムに組み込めるものであることが必要ということです。
 成果の目標設定と測定は分離したものであってはいけません。成果の目標は計数化できる目標であり、その実績も自動的に出力されるようシステムに組み込むようにすることです。

◆「再評価の原則」
この企画の実施段階において、前提が変わるような場合もでてきます。定期的に目標と実績との評価を行い、是正すべき点は企画書へ反映し改善しなければならないということです。

◆「参画の原則」
戦略情報化企画書の策定はビジネスプロセス改革を実現させるものであり、経営戦略の根幹の1つです。そのことから、CSO(Chief Strategic Officer:戦略立案の責任者)は経営戦略の実現可能性を見極めるために、この企画案策定に主体的に参画しなければならないということになります。単に報告を受けるだけでは、良い企画書となり得ない訳です。

以上、前回と合わせ10個の基本原則がITC協会の提供資料に定義されています。
経営戦略から、情報戦略企画書を策定していくプロセスで、常に心しておく原則でしょう。

第41回はここで終了します。今回で情報戦略を策定するための基本的な考え方の前段である「情報戦略策定の基本原則」を完結しました。
次回は、経営戦略に基づいた情報システムを構築するための組織力である「ITガバナンス」を取り上げます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする