ITガバナンス-その4

前回はITガバナンスでの情報化目標である7つの情報規準とそれを達成するためのIT成熟度を取り上げました。今回は、前の3回で述べてきたITガバナンスの3つの要素を用いた企業システムのあるべき形態を取り上げ、考えてみましょう。

経営戦略は経営目標として「売上」、「コスト」、「利益」といった目標が設定され、この経営目標はバランススコアカードを用いて経営施策として展開されました。
これらの経営施策の中にはほとんどの場合、情報システム化の経営施策があります。
そして、この情報化施策に対する経営上の目標としては情報システムの「機能」、「納期」、「予算」等が目標として定義されています。この中の機能目標をITガバナンスの観点では7つの情報規準として定義し、システム化の目標としています。
経営ニーズの下でのこの目標をもとに、情報システムを構築・管理する4つの管理プロセスがあり、その成熟度を向上させることで経営戦略に沿った情報システムが出来上がるという考え方がITガバナンスでした。
“このITガバナンスが求められる情報システムの構造はどんな構造をしているのでしょうか”が今回のテーマです。

 経営戦略に沿った情報システムということは、経営の活動に対応した情報が伝達され、報告され、管理される必要があります。すなわち、経営の活動情報を的確に把握して情報化すれば、ITガバナンスに対応した情報システムが出来上がることになります。
 経営の活動情報には「計画/モニタリング情報」、「コアビジネス情報」、「資源情報」、「知識情報」があると言われています。
 
 ◆「計画/モニタリング情報」:経営目標、情報規準目標、成熟度目標など全て、経営活動の目標です。営業部門の売上目標、情報システムの納期や提供成果物、情報化に関わる人のITスキルなどがその目標、すなわち計画値となります。この計画を達成するためにビジネス活動が行われ実績との差異分析をするためのモニタリング情報が必要になります。

 ◆「コアビジネス情報」:売上を上げる営業活動をはじめ、生産活動、物流活動などの経営活動の計画目標に対し、経営化駆動の実態として実績値を生成する活動成果情報です。売上やコスト実績、納期実績や効果実績などがそれに当たります。

 ◆「資源情報」:経営資源としての「ひと」、「もの」、「かね」の情報です。「ひと」の情報は職種、スキル、所属部門などビジネス遂行に必要な情報を有しています。「もの」の情報は設備や材料、商品といった情報です。材料は製造工程によって、仕掛品になり、製品となって付加価値を高める変化をします。また、設備など
  は陳腐化してその価値を減少させるという変化をします。
  これらの情報は経営計画目標に重要な情報と成りますし、経営活動の実態を表します。「かね」の情報は売上や、コストや現金のように損益計算書や貸借対照表、キャッシュフローであらわされる全ての形態のお金が存在します。

 ◆「知識情報」:ナレッジDBとして馴染みの深い情報です。コアビジネス活動を通して得た改善要因が集積・整理され他のコアビジネスへの展開と効率化を推進しますし、計画目標への重要な情報となります。
 以上のように、経営活動には4つの大きな情報があります。経営戦略が経営活動を円滑に遂行することで成し遂げられるのであれば、情報システムはこの4つの情報を効果的に連携した情報体系を持てば良いことになります。

 「計画/モニタリング情報」は計画/モニタリング情報システムとして、売上、要員、生産などの目標のための計画値の基礎である「人」、「もの」、「かね」の資源情報の引用が出来、活動習熟度としての知識情報を参照して計画を作成します。 その後、コアビジネスモデルの実績を把握し、計画との差異を報告収集できるシステムとなります。
 「コアビジネスモデル情報」は「コアビジネス情報システム」として、計画情報から計画目標を取り入れ、知識モデル情報にある改善情報を参照し、実働の実績をモニタリングとして反映し、実績としての資源の変化は資源情報システムに反映すればよい。
 このように、4つの情報を反映した「計画/モニタリング情報システム」、「コアビジネス情報システム」、「資源情報システム」、「知識情報システム」を作り、円滑なシステム間の情報の連携の出来るシステムを構成することで、ITガバナンスに基づいた情報システムの構造を捉えることが出来ます。

第45回はここで終了します。ITガバナンスに基づいた情報システム作りに必要なシステム構造を取り上げました。
次回は、「モニタリング」でIT成熟度レベル4の活動であるモニタリングを企業活動の全体像から取り上げます。

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