モニタリング-その1

前回はITガバナンスに基づいた情報システム作りに必要なシステム構造を取り上げました。
今回から、「モニタリング」でIT成熟度レベルの活動であるモニタリングを企業活動の全体像を押さえたいと思います。
まず、「モニタリング-その1」として、モニタリングを論じるときの中核の用語である目標指標のKGI、KPIを取り上げます。

モニタリングは「活動・成果を定期的、継続的に状況を把握し評価し、活動の是正措置を提案するプロセス」と言われています。従来のPDCAの管理プロセスで言えば、C(=Check)&A(=Action)のプロセスと対応させても間違いではありません。PDCAのプロセスは一般に業務の実施プロセスに適用されましたが、モニタリングはこの実施プロセスに加え経営のプロセスまで範囲を広げたCheck
&Actionです。
モニタリングは計画としての目標値があって始めて実施できます。この目標値は通常経営計画時に次のような2つの方法で設定されます。

◆細分化による目標の設定
経営目標として全社の売上高を掲げたとしましょう。この方法ではこの売上高の目標項目はそのままで目標値が事業部目標、部門目標、個人目標へと細分化されていきます。
この目標設定の方法によれば、目標項目は全て売上高で上位目標は下位の目標を集約することで達成されることになる同じ成果目標です。

◆プロセス展開による目標の設定
  この方法は売上高という目標に対してこの目標を達成するプロセス(=工程)に展開しこの目標値を下位目標として設定することになります。
たとえば、顧客の需要として「良い品質」、「適時の納期」、「適切な価格」があったと仮定しましょう。売上高を高めるには良い品質を保証する不良率の低下、適時の納期を保証する納期遵守率、適切な価格のための原価率の低減が目標となります。
これらの目標は成果目標の売上高とはまったく違う目標項目ですが、売上高という上位目標は下位の3つの目標であるプロセス目標を達成することで、達成出来ることになります。

以上のように、どちらの見方にも目標に対する上位目標と下位目標の関係がありますが、前者の方法の上下関係は成果指標とその指標達成のための先行指標の関係です。後者は成果指標としての上位目標に対してその工程を指標化したプロセス指標でもあり先行指標となっています。

これらのモニタリングの指標をKGI(=Key Goal Indicator:成果指標)、 KPI(=Key Performance Indicator:先行指標またはプロセス指標)といいます。
KGIは上位指標でKPIは下位指標ですが、下位指標はさらに下位指標に展開するとき、その指標は上位指標となります。すなわちKGI→KPI(=KGI)→KPIの関係になります。
ところで、KGI,KPIの表現について2種類の解釈がありますので参考に記しておきます。
本文で述べてきましたモニタリングの指標の考え方はITC協会が提唱している指標の表示です。ITガバナンスでもこの表示を使用しています。
一方で、キャプランの提唱するバランススコアカードでの管理指標にはKGIという表示はありません。全てKPIの表示で成果指標のKPI、先行指標のKPIとして区別し、業績評価指標と定義しています。表示の方法が違うだけで、内容、意味共に同じですので、知識として整理して置くだけで良いでしょう。

第46回はここで終了します。モニタリングの基礎用語であるKGI、KPIを取り上げました。
次回は、「モニタリング-その2」で経営活動におけるモニタリングの位置づけを取り上げます。

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