モニタリング-その2

前回はモニタリングの経営管理指標としての基礎用語であるKGI、KPIを取り上げました。
今回は、「モニタリング-その2」で経営活動におけるモニタリングの位置づけをIT 化の観点で取り上げようと思います。

モニタリングはPDCAのC(=Check)&A(=Action)であり、目標に対する実績のギャップ分析と是正措置でした。
このモニタリングの行為を経営活動の観点で捉えますと、「プロジェクトのモニタリング」、「成果のモニタリング」、そして「成熟度のモニタリング」の大きく3つの分野があるとされています。
“これらの3つのモニタリングの違いは何か”から抑えてみましょう。
◆「プロジェクトのモニタリング」
 企業は経営活動として、販売や生産活動、経理活動などの活動を行っています。これらの活動は掲げられた目標のもとに定常的に遂行される業務活動です。これに対し、プロジェクト活動はこの定常的な業務活動をより効果的な活動とするために、有期限で新しいしくみや新製品、新サービスを作り上げる改善活動になります。
たとえば、情報システム化の活動では経営活動や業務活動の効率化、迅速化を図るための仕組みづくりのプロジェクトになります。経営活動や業務活動の改善のためには必ず発生する活動です。
このプロジェクトの遂行には計画の目標指標であるKGI(=Key Goal Indicator)として、Q(=Quality:品質)、C(=Cost:費用)、T(=Time:納期)が設定されます。
このKGIを達成するためのプロジェクトのモニタリングは“目標として設定された要求品質、予算そして納期と実績の差異を分析し、是正措置を実施する”活動になります。

◆「成果のモニタリング」
 プロジェクト活動が成功裡に完了しますと、定常業務にその成果は組み込まれ、業務活動や経営活動がより効率的な活動へと移行することになります。
ERPシステムが成功裡に導入されると、決算の迅速化や経営判断資料の適時な提供によって、経営活動や業務活動の迅速化が図れることを意味しています。
すなわち、プロジェクトは業務活動や経営活動を改善する目標があって実施され、プロジェクトの目標が達成されますので、プロジェクトが完了した後は、成果としての業務の改善目標の達成管理が必要となります。この目標は“成果の目標”といわれます。ビジネス上の成果であるKGI(or KPI)は売上や利益などになりますが、情報化の場合のKGI(or KPI)は情報化の目標である情報規準が設定されることになり
ます。(詳細は第42回からのITガバナンスをご参照ください。)
この目標に対して、成果のモニタリングはプロジェクト完了後の経営活動や業務活動の目標であるKGI、KPIのモニタリングを実施して成果の達成を分析し、是正措置をとる活動となります。

◆「成熟度のモニタリング」
 プロジェクトは業務活動や経営活動を改善し、より高いレベルへシフトし、成果のモニタリングによってその改善を確認するものでした。成熟度のモニタリングはプロジェクトから定常の業務に移行し、その目標の達成を容易にするための社員や組織の能力、標準プロセスなどの標準化、や育成に対する活動です。
成果の目標は通常、現在のレベルより高い目標が設定されるものです。現在より高い目標が設定されるということは、現在従事してる社員の能力向上や業務しくみの改善、業務標準化など、成果の目標に対応した成熟度を高める必要が出てきます。
経営目標として、“利益率を30%向上” が打ち出されたとしましょう。
売上向上のための市場開拓や商品開発、インターネット販売体制などのプロジェクトが発足し、原価低減のための業務プロセスの簡素化や在庫低減のプロジェクトが発足することになります。
このようなプロジェクトでの改善のしくみは全社員、組織が理解し、標準手順での業務処理ができて、初めて目標を達成することが出来るわけです。

このように、成果の目標が経営の最終目標としてあるのですが、そのためのプロジェクト目標の達成、そして定常業務に移行してからの社員や組織の能力目標、業務標準等の目標、などの成熟度目標と現状との差異分析をし、是正措置をとる活動である“成熟度のモニタリング”の活動が必要不可欠となります。

第47回はここで終了します。経営活動とモニタリングの位置づけを取り上げました。
次回は、「モニタリング-その3」でモニタリング指標、目標設定の考え方を取り上げます。

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