モニタリング-その3

前回は経営活動におけるモニタリングの位置づけをIT化の観点で取り上げました。
今回は、「モニタリング-その3」でモニタリングの指標、目標を設定するときの考え方を取り上げます。

モニタリング指標には成果指標としてのKGI(=Key Goal Indicator)とプロセス指標としてのKPI(=Key Performance Indicator)がありました。別の見方をしますと、この指標はそれぞれ上位指標と下位指標としての従属関係がありました。
 最終目標である経営目標としての売上目標、利益目標などを最上位のモニタリング指標として、下位のKPIへの展開し、この展開された目標はその管理指標に基づいて経営活動を管理していくことになります。モニタリング指標の設定からその実施までの一連の活動をより効果的にするための考え方が今回のテーマです。
 こう述べてきますと、モニタリング指標があって、業務活動をその目標に向かわせる感がしますが、まったく逆の観点で設定されます。
 すなわち、“経営目標のもとに如何に対顧客への経営活動、対内部プロセスとしての業務活動を実施すべきか”という経営施策があって、この施策の達成度合いを評価・是正する活動としてモニタリング活動があります。
 したがって、モニタリング指標はこの経営施策をもっとも良く表現する管理指標であることが必要となります。
 それではモニタリング指標策定の考え方に話を進めていきます。
 まず、最初に必要な考慮要件は「整合性の原則」です。順次その要件を抑えてみましょう。

 ◆「整合性の原則」
 モニタリング指標には上位、下位の従属関係がありました。上位の指標は下位の指標が目標を達成すれば、上位の目標も達成できるという整合性を持った指標の関係がないといけません。
 たとえば、原価低減目標があったとしましょう。KGIは原価低減率になると思います。
 そのときの下位指標KPIは不良品低減を目標とした不良率や生産性向上を目標としたリードタイム短縮率などが設定され、上位との整合性を作り上げることが必要となります。

 ◆「範囲の適切性の原則」
 モニタリング指標は上位指標との整合性を持って設定するのですが、上位指標を適切に網羅する下位指標としての管理指標を設定しなければなりません。原価率の低減は不良率のみではカバーできないので、リードタイム短縮率を加え、上位指標を網羅する下位指標の構成を設定します。
 ただし、下位指標をあまりに精度高く細かく設定しますと、モニタリング活動の負荷が増え実施不可能な管理指標となりますので、適切な範囲で重点指標を設定することが重要です。

 ◆「費用対効果の原則」
 モニタリング指標は費用対効果が見えるような指標でなければならないということです。
 たとえば、ERPシステム導入の生産性向上の指標として、「ERPコンサルタントの育成数」などの指標がよく設定されますが、この指標は費用対効果が良く見えない指標です。
 モニタリング指標の考え方では、管理指標は経済的効果の見える指標とすることを求めていますので、この指標は「ERPコンサルタント実施数」や「ERP導入経験コンサルタント要員数」のとした方が費用対効果を把握し易くなります。
 このようにKGI、KPIは費用対効果を把握し易い指標とすべきということを言っています。

第48回はここで終了します。モニタリング指標設定での考え方の前段を取り上げました。次回は、「モニタリング-その4」でモニタリング指標の考え方の後段を取り上げます。

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