ビジネスプロセスモデル-2

前回はビジネスプロセスの分析の基礎であるオブジェクトとトランザクションの捉え方を取り上げました。

今回は業務プロセス(=ビジネスプロセス)分析の設計モデルである「ビジネスプロセスの階層化」を取り上げようと思います。

ビジネスプロセス(業務システム)を情報システム化する場合には、業務機能をプログラム記述ができる仕様まで整理し詳細化することが必要になります。
顧客の業務を良く知っているコンサルタントやデザイナーであれば、業務を詳細化することは容易いことかもしれませんが、一般的にはそのような人は多くいません。
しかし、ビジネスプロセス分析は業務をトランザクション情報の変換機能という観点 で捉えていますので、論理的に階層化できれば、それほど業務に強くない技術者でも容易に詳細機能へ変換できることになります。
そのためには、ビジネスプロセス分析にDMM(Daiamond MandaraMatrix)手法を組み合わせて使用することです。この手法を用いると業務の階層化を容易に進めることができるようになります。
DMM手法では対象の業務を最大8つのサブ業務へ分解します。このサブ業務をさらに最大8つのサブサブ業務へと分解を続けて業務を細分化していく手順をとります。

(1)業務の細分化
販売業務を例にとって、デザイン手順を追って見ましょう。
販売業務をサブ業務へ分解しますと、「販売計画」、「受注」、「在庫引当」、「出荷」、「請求」、「回収」、「モニタリング」などのサブ業務へ細分化できます。
このレベルが第1段階の細分化です。
第1段階の細分化を受けて、このサブ業務を核にして、第2段階のサブサブ業務への細分化展開を行い、情報システムの最階層のプログラム機能まで細分化していく訳です。
この細分化はお客さまのヒアリングを通して行えば容易に作成することが可能です。
この細分化ができると、ビジネスプロセス分析の手法が生きてきます。このサブ業務間のトランザクションを押さえることでサブ業務の機能を明確にすることができます。

◆細分化された業務は入力トランザクションと変換するトランザクションを設定する。
◆トランザクション変換のために使用するマスターファイルを組み込む。
この2つのステップによって、対象業務の機能定義ができます。
この業務機能の定義も2段階のレベル定義があります。

(2)業務機能の定義
業務機能を定義するときに、トランザクションを“伝票レベルで捉えるか”、“データ項目レベルで捉えるか”によって機能の精度が違ってきます。
すなわち、受注機能を「受注伝票トランザクションをもとに発注伝票トランザクションと出荷指示トランザクションに変換する作業という見方」と「受注伝票のデータ項目である“顧客名”、“商品名”、“注文数量”をのもとに、発注伝票のデータ項目である“仕入先名”、“商品名”、“発注数量”に変換するという見方」です。
お分かりのように、前者は業務機能定義の上流工程でのビジネスプロセス展開に適しています。業務を対極的に把握するのに便利です。
一方、後者はプログラムを作成するための業務機能定義にあっています。
すなわち、下流工程でのビジネスプロセス定義はトランザクション項目変換として捉える方が的確です。
以上のステップは論理的な作業ですので、あまり経験による蓄積がものを言う作業ではありません。
逆に言えば、DMMとビジネスプロセス分析は若干の業務用語や概念があれば、業務システムのデザインは誰にでもできる標準化のステップを作り上げていることになります。

第55回はここで終了します。業務プロセス設計の基本の考え方である「ビジネスプロセスの階層化」を取り上げました。
次回は、「ビジネスプロセスモデル-3」として“ビジネスモデル作成手法(=DFD)”を取り上げます。

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