ビジネスプロセスモデル-3

前回は業務プロセス(=ビジネスプロセス)分析の設計モデルである「ビジネスプロセスの階層化」を取り上げました。今回はビジネスプロセス分析の技法である「DFD(Data Flow Daiagram)手法」を取り上げます。

 DFD手法はビジネスプロセスダイアグラムを記述する表記法です。表記法ですので記述する記号とルールがあります。その記号には「データフロー記号」、「処理記号」、「データストア記号」、「データの発生源/行先記号」の4つです。

 ◆データフロー記号:→記号の上にデータ名、すなわちデータ項目やトランザクション名を記述して使用します。→はオブジェクト間のデータの移動する方向を表し、データ名は移動するデータの内容を表します。上位レベルのビジネスプロセスを記述する場合は、データ名は受注伝票や出荷伝票のようなトランザクションを表し、下位レベルのビジネスプロセスの記述ではプログラムや処理要件を決める事になりますので、データ名は商品番号、数量と言ったデータの項目を表します。

 ◆処理記号:角を丸くした縦長の長方形の記号の中を2本線で上・中・下段の3分割した記号を使用します。3分割したエリアはそれぞれ上段に処理順序を表す処理ID、中段に処理名、下段に部門名を記述します。この処理記号が存在するということは、必ずデータフローの入りと出が存在することを意味します。

 販売管理のビジネスプロセスの中の発注処理を例にとって説明してみましょう。
 
 ・処理ID:このIDは処理を整理するためにIDをつけます。このビジネスプロセスの中で発注処理が受注処理に続いて2番目に記述としますと、処理IDは受注処理が1.0、発注処理が2.0といたった記述になります。

 ・処理名:その処理記号で処理する機能にあった処理名を付けます。ここでは「発注処理」で良いでしょう。より下位のレベルの処理になると「発注先決定処理」や「発注書発行処理」などが出てきます。
  ・部門名:この処理を実施している部門名を記述します。この例では「購買部門」などが代表的な部門名になります。複数の部門が絡む場合は処理を一部門として明記できるように分解します。

 ◆データストア記号:横長の長方形で片空きの図形を使います。ビジネスプロセスで使用する顧客台帳や注文台帳等の各種台帳が相当します。IT用語で言えば、マスターファイルやトランザクションファイルになります。
 データフローはこのデータストアからの参照やデータストアへの蓄積のためのやり取りとして使用されることになります。

 ◆データの発生源/行先記号:正方形の図形で表され、対象となるビジネスプロセスの範囲外のオブジェクトに対して使用します。たとえば、販売管理の受注業務を対象ビジネスプロセスの範囲としますと、注文書の発行する顧客は“データの発生源”ですし、発注書の宛先である仕入先は“データの行き先”となり、受注処理の範囲外にあります。
 下位レベルのビジネスプロセスである発注業務を対象としますと、在庫未引当の受注データを発生する受注業務は“データの発生源”となります。同様に、発注業務から出荷指示データが送付される出荷業務は“データの行先”となります。
  
 この記号は対象とするビジネスプロセスによって変わっていくので、前回で解説しましたDMM(Diamond Mandara Matrix)を用いて下位階層へ絞り込んでいく場合に、ビジネスプロセスの上位層から下位層の関係の体系化に有効な働きをすることになります。

以上、ビジネスプロセスの表記法であるDFDの4つの記号の意味と使い方を解説してみました。

第56回はここで終了します。ビジネスプロセスの手法である「DFD手法」を取り上げました。
次回は、ビジネスプロセスでの情報変換の主体となるデータファイルの考え方である「情報モデル」を取り上げます。

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