情報モデル-その2

 前回は情報モデルの基本の考え方である「情報モデルの意味」を取り上げました。
 今回は「情報モデルの関係性の考え方」を取り上げます。
 
 情報モデルの関係性はデータベース間の関係と置き換えて考えて良いと思います。
 スタンディング情報(=マスター情報)とイベント情報(=トランザクション情報)の間のキー項目の関係です。
 “この関係がなぜ重要か”と言いますと、前回で業務処理はトランザクション情報の変換であると述べてきましたことと関係します。インプットとしてのトランザクションはアウトプットへのトランザクションの情報変換をするために、マスターの情報を引用します。そのためには情報を引用するための両者間のキーの関係が必要になります。この関係がデータベース間で定義されていけば、このデータベースの関係はより明確に業務処理を可能にする業務機能を定義することになってきます。
 キー項目の関係だけでなく、このキーの関係に多重度を考慮すると、さらに、詳細な教務処理の定義をした情報モデルが出来上がります。
 “キー関係の多重度とは何か?”を考えて見ましょう。例として、注文処理を取り上げてみます。

(1)注文処理のデータベース多重性
 注文書には注文の商品番号、数量や顧客番号等が記されています。このトランザクションデータとしての注文書のキー項目には商品番号と顧客番号があります。
 したがって、注文書の注文トランザクションファイルは商品マスターと顧客マスターと関係を持っています。

 “さて、どんな関係性を持つのでしょうか?”、この答えは注文書の形式にあります。注文書が5行の注文商品の記入行を有しているとしましょう。

 ◆注文トランザクションファイルと商品マスターの関係から捉えましょう。
 
 a.注文トランザクションから見た商品マスターとの関係は最低1から最大5の関係があります。

 この意味は、注文があるということは、最低1種類の商品記入行があり、最大5行の記入欄があるということは5種類の商品があり、商品マスターと関係づくことになります。
 
 b.商品マスターから見た注文トランザクションの関係は最低0から最大Nの関係があります。
 
 この意味は、注文書の中には注文の無い商品がありますから、関係なしで“0”の関係といいます。一方、注文トランザクションファイルには多くの注文書がありますので、同じ商品は複数の注文書に記載されている場合があります。したがって、この関係を不定又は無限大の関係ということで“N”の関係として記述します。
 次に、注文トランザクションファイルのもう一方の関係、顧客マスターとの関係を見てみましょう。

 ◆注文トランザクションと顧客マスターの関係は商品マスターの関係と同様に考えて行きますと、
 
a.注文トランザクションから見た顧客マスターとの関係は、注文書には顧客NOが必ず1つありますので注文トランザクションと顧客マスター子関係は“1対1”の関係になります。
 
 b.顧客マスターから見た注文トランザクションの関係は、同一の顧客が複数の注文を発行する場合があり、まったく注文しない顧客もあるわけですので、“0からN”の関係があります。

 以上のように、ビジネスプロセスモデルで必要とされるマスターファイルとトランザクションファイルの関係を捉えていくことは、業務処理機能の出来るより詳細な情報体系としての情報モデルを作り上げていくことになります。

第58回はここで終了します。情報モデルの関係性の記述を取り上げました。
次回は、情報モデルとトランザクションの記述方式としての「EEM(Entity Event Matrix)」を取り上げます。

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