プロジェクトマネジメント

 前回までは情報戦略および情報化設計のメソドロジーを述べてきました。今回から、
 ITガバナンスに沿って情報システム構築していく上において必要となるプロジェク
 トマネジメントの主要メソドロジーをPMBOKから引用して取り上げようと思いま
 す。

 PMBOK(Project Management Body Of Knowl
 edge)は米国のPMI(Project Management Instit
 ute:プロジェクトマネジメント協会)が提唱しているプロジェクト管理の知識体
 系です。現在、世界で最も活用されているプロジェクトマネジメントの知識と言って
 よいでしょう。
 その知識はプロジェクトを実行する上でのプロジェクト管理プロセスを「立上げプロ
 セス」、「計画プロセス」、「遂行(実行)プロセス」、「コントロール(制御)プ
 ロセス」、「終結プロセス」の“5つの管理プロセス”として整理し、そのプロセス
 を実践する上において必要な知識エリア(=知識分野)を定義しています。
 その知識エリアとは「スコープマネジメント」、「タイムマネジメント」、「コスト
 マネジメント」、「クォリティマネジメント」、「人材マネジメント」、「コミュニ
 ケーションマネジメント」、「リスクマネジメント」、「調達マネジメント」そして
 「統合マネジメント」の9つの知識エリアです。
 この知識エリアの重点は5つの管理プロセスでの「計画プロセス」とそのモニタリン
 グである「コントロールプロセス」に重点が置かれているところに特徴があります。

 たとえば、計画プロセスの中核となる知識のプロセスを取り上げてみましょう。ここ
 のプロセスはプロジェクト立ち上げ後、プロジェクト計画策定までのプロセスです。
 ◆スコープの計画と定義
  計画プロセスの最初のプロセスです。プロジェクトの目標、範囲、機能を定義し、
  プロジェクトの活動計画とコスト見積りにつなげるプロセスの知識です。

 ◆アクティビティ定義
  定義されたプロジェクトの範囲とその機能をもとに、この機能を完成するためのア
  クティビティの定義、その順序、アクティビティ工数見積を作成し、プロジェクト
  のスケジュール作成につなげるプロセスの知識です。

 ◆コストの予算化
  定義されたプロジェクトの範囲とその機能とアクティビティ定義での工数見積とか
  らコストを算定し、プロジェクトスケジュールに合わせて各フェーズ毎のプロジェ
  クト予算を策定し、プロジェクト計画のコスト目標とするためのプロセスの知識で
  す。
 
 ◆リスクマネジメント計画
  情報資産に対するリスクの識別をし、そのリスク度合いの重大さに応じてリスク対
  応計画を作りスケジュールと予算の設定へつなげるプロセスの知識です。

 ◆プロジェクト計画の策定
  アクティビティ定義で作成されたスケジュールと予算設定を下に各フェーズ毎のQ
  (=Quality:品質)、C(=Cost:予算)、T(=Time:納期)目標を設定しプロジェ
  クト計画とするプロセスの知識です。

 この「計画プロセス」の中で、代表的なメソドロジーである「WBS(Work Breakdown
 Structure)」、「PERT/CPM(Project Evaluation Technique/
 Critical Path  Method)」、「EVMS(Earned Value Management System)」の
 3つのメソドロジーを取り上げて進めていこうと思います。

第66回はここで終了します。PMBOKの計画プロセスを取り上げました。
次回は、PMBOKの代表的メソドロジーの1つである「WBS」を取り上げてみようと思います。

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