EVMS-その2

 前回はEVMSテーマの第1回で「EVMSとは」として、その意義と言葉の解釈を
 取り上げました。今回は「EVMSの活用―その1」で“EVMS管理図の作り方”を取
 り上げようと思います。

 EVMS(Earned Value Management System)によるプロジェクトの進捗管理は
 前回で述べました3種のベースラインデータを用いEVMS管理図を作成します。
 EVMS管理図は横軸に時間軸、縦軸にコスト・予算軸を取ります。横軸の時間軸は
 プロジェクトの開始月から月単位にプロジェクト終了月までスケールし、縦軸は計画
 予算と実績コストを金額単位(たとえば、千円)に合わせてスケールします。
 ベースラインデータのグラフ記述順序は計画時点での積み上げ予算であるPV
 (Planned Value)を描き、進捗実績が出た時点で実績コスト累積とし
 てのAC(Actual Cost)と実績に対応した予算の消化累積のEV(Ea
 rned Value)を描きます。

(1)PVデータグラフの作成
 このデータは皆さんがプロジェクト予算を作成する時の作業と同じです。プロジェク
 トの月別の作業工数を見積り、その工数を予算に変えて、月ごとに納期月まで予算を
 累計したグラフです。
 例として、プロジェクト開始月が1月で、終了月を4月のプロジェクトがあり、その
 計画作業が1月は“AとB作業”、2月は“C作業”、3月は“DとE作業”、4月
 は“G、FとH作業”であり、その工数(単位:人月)をA=4.33、B=6.1
 7、C=9.67、D=2.50、E=6.00、F=8.50、G=10.33、
 H=5.33としましょう。簡単のために工数単価を1万円/人月としますと、PV
 データは累計ですので、1月=10.50万円、2月=20.17万円、3月=
 28.67万円、4月=52.83万円のグラフとなります。

(2)ACデータグラフの作成
 このデータは月ごとの実績コストの累計です。現時点を3月末として、各月の実績コ
 スト累計であるACが1月度12.5万円、2月度23万円、3月度29万円であっ
 たとしましょう。
 今までの予算管理ですと、3月末の予算と実績の差異は1.37万円(=29-
 28.67)の予算オーバーとしました。
 EVMSではEVデータグラフを加えることで、この考え方に意義を唱えました。
 このデータは正確な予算差異に加え、納期差異も把握できるデータとなりました。

(3)EVデータグラフの作成
 このデータは作業完了した作業予算消化の累計ですので、各作業の予算に焦点を当て
 ます。
 たとえば、計画では3月末の完了予定作業が作業A、B、C、D、Eでしたが、現在
 の3月末の時点で作業のA、B、C、Dまでの完了であったとしましょう。
 そうしますと、3月末のEVは22.67万円となります。
 EVMSではコスト差異(=予算と実績の差異)はACとEVの差である6.33
 万円(=29-22.67)になります。完了した作業予算と完了した作業実績を
 対比していますのでより、正確なコスト差異となっています。
 もう一つはスケジュールコスト差異(予定納期と実績の差異)です。この差異はPV
 とEVの差異として6万円(=28.67-22.67)を把握し、この差異を工数
 単価で除しますと遅れの工数または期間が把握できます。
 以上のように、EVMSはEVデータを管理グラフに加えることで、コストと納期の
 予実管理が可能にしました。

第73回はここで終了します。“EVMS管理図の作り方”を取り上げました。
次回は、この差異を下にプロジェクトの“最終予算と納期の推定”手法を「EVMSの
活用-その2」として取り上げます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする