EVMS-その3

 前回、“コスト差異”と“スケジュールコスト差異”を取り上げました。この差異
 からこの差異のままで遂行した場合の予想コストと予想納期を算出してみましょう。
 前回の例から、3月末時点でのPV(予算累積)、AC(実績コスト累積)、EV(完了
 作業対応の予算消化累計)はそれぞれ28.67万円、29万円、22.67万円
 で、コスト差異(=EV-AC)は6.33万円、スケジュールコスト差異(=EV-
 PV)は6万円でした。
 まず、予想コストの算出からです。EVMSではEAC(=Estimated 
 At Completion:予想コスト)といいます。

(1)EACの算出
 この計算のポイントは今までの実績を見ていきます。3月末の時点でEV=22.67
 万円、AC=29万円ですので、このままの状況で進めば、残りの作業もこのコスト
 差異の比率で差異が増大することになります。PVの最終の予想コスト(BAC:Ba
 dget At Completion:計画納期予算累計)は最終納期までの残作業
 のコストもこの比率で増大することになります。この比率をEVMSではPF
 (=Performance Factor)といい、この例では22.67/29
 =0.78になりますし、この例でのBACは52.83でした。
 EACの計算式は EAC=AC+(BAC-EV)/PFとなります。
 本ケースの数値を当てはめますと、EAC=29.00+(52.83-22.6
 7)/0.78=67.67となり、計画納期予算との差異は14.84万円
 (=67.67-52.83)まで広がることになります。 次に、計画完了予想日
 を算出してみましょう。

(2)計画完了予想日の算出
 3月末でのスケジュールコスト差異は6万円でした。人月工数単価は1万円としまし
 たので、6人月の工数分の計画遅れです。12人で実施していますと、半月の遅れと
 いうことになります。
 スケジュールコスト差異のPF(=Performance Factor)を出し
 てみましょう。
 3月末のEV=22.67万円、PV=28.67万円ですので、この比で納期遅れが
 出ていますので、PF=22.67/28.67=0.79となり、“3月末で
 28.67の工数分の作業が終了すべきところ、22.67工数の作業しか進まな
 かった”ということをあらわしています。
 今後の作業期間はPVでの4月末納期日までの1.5ヶ月(=4月30日―3月15日)
 がこのPFの比で膨らむことになります。
 計画完了予想日は 
 計画完了予想日=現時点+(PV計画納期日-EV完了時点)/PFとなりますので、
 数値を挿入しますと、(ただし、1ヶ月を便宜上30日と想定)
 計画完了予想日=3月末+(4月末-3月15日)/0.79 5月27日で
 27日の納期遅れへと膨らむことになります。
 この予算オーバーと納期遅れを見極めた上でコスト低減と納期短縮対策が講じること
 になります。

 第74回はここで終了します。“最終予算と納期の推定”を取り上げました。
 この回までの74回に亘り、当講座でITコンサルタントに必要な基礎知識を取り
 上げて参りました。基礎知識の講座はこれで終了したいと思います。
 今後のこの講座ではこの基礎知識の応用した実際のテーマとして取り上げようと
 思っています。
 そのために、次回はこの応用のテーマ目次「ITコンサルタントのための応用知識
 テーマ」を取り上げ、全体を把握していただこうと思っています。

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