プロジェクトの発足-事業の特徴

75回で紹介させていただきましたが、74回まで配信しました経営戦略と情報戦略
の知識を用いてITベンダーのITコンサルとして戦略策定を指導するプロセスをストー
リーとして組み立てていきます。私の立場は悩みと工夫のITコンサルタントです。
 顧客訪問日になりました。お会いします大阪事業部長の山田氏には “当日は3つの
ことをお聞きしたい”と前もって依頼をさせていただきました。
・1つは「事業部の組織特徴」
・2つ目は「対顧客活動状況」
・3つ目は「マーケット環境要因」 の3つです。

山田氏の話から「事業部の組織特徴」と「対顧客活動状況」を整理しておきます。
(1)「事業部の組織特徴」
  ◆組織:営業部12名、SE部10名、営業推進:2名
   ・電気、農機具の大手顧客を中心としたビジネスと中堅・中小企業向けのビジネ
スがある。
   ・SE部は大手顧客の技術相談SE、サーバー・ネットワークの設計/導入SE
からなる。開発は地場のソフトベンダーか本社のシステム開発部へ発注する。
大手顧客以外の技術相談は本社のサービスセンターで対応する。
   ・営業推進は顧客からの問合せや要望への回答など外出している担当営業の代行
を行う社内で対応する営業からなり、1名は大手3社の専任担当。
  ◆事業内容
   前期の事業部の全売上は12.1億円で全社の約2割弱。顧客数は約50社、主要顧客の
大手メーカ顧客3社(8事業部)
   ・パソコン&サーバー、ネットワーク事業:7.8億円、粗利率15%。PCは
粗利率5%で低下傾向。
   ・ハードウエア保守および技術相談サービス:3.7億円、粗利率60%。
   ・業務システム開発:webおよびグループウエアシステム開発0.6億円、
    利益ゼロ。 

 (2)「対顧客活動状況」
   ・大手顧客3社の営業体制は専任営業制。その中の重要顧客A社は3名(1名は
    顧客常駐)である。
   ・大手顧客3社で売上6.6億円(55%)、粗利2億円(60%)を占める。
    粗利の内訳は技術相談・保守サービス&web関連開発1.4億円
    (70%)、ハードウエア0.6億円(30%)を占める。 顧客A社に対し
    ては顧客のインベントリー管理を始め、このデータを加味して技術相談の実施
    を始めた。
    (注)インベントリー管理:PCやその関連ソフトの資産とバージョン管理
    ・中堅・中小の顧客の多くは3年前までのパッケージによる基幹システム開発
に携わっていた顧客で、現在は地場のソフト開発ベンダーと提携して支援
している。中堅・中小企業顧客との付き合いは長く、リレーションは良い。
    ・大手顧客には専任担当SE制を引き、技術相談もカバーしている。また、顧客
からの発注の進捗状況と納入予定をイントラwebサービスで提供している。
    ・大手顧客の受注増加率は停滞気味になってきており、今後の戦略が非常に重要
な局面にある。
    ・新規顧客として、地場の有力CATV局のwebサイトとPC技術相談ビジネ
スを受注した。
    ・大手顧客、中堅顧客への営業コンタクトは情報室が中心であり、顧客の全部門
でみれば、営業カバー部門比率(=顧客内部門取引シェア)は15%程度で
ある。今後、営業による顧客内部門カバー率を上げることが課題である。
事業は順調そうに見えるが、大きな外的要因があり、ビジネスの伸びを押さえている
ようにも見える。
  顧客の組織特徴と対顧客活動状況が概ね理解できたので、マーケティング環境を調査
することにしました。コンサルティングの始まりです。
「5つの競争要因分析(ポータ)」を使って調べてみることにしました。

第77回はここで終了します。これまでは企業プロファイル基礎情報の整理でした。
次回は、テーマ「プロジェクトの発足-マーケット環境分析」でポータの5つの競争
要因分析を使って大阪事業部のマーケティング環境を把握していきます。

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