SWOT分析-1 強み弱み要因?

75回で紹介させていただきましたが、74回まで配信しました経営戦略と情報戦略
の知識を用いてITベンダーのITコンサルとして戦略策定を指導するプロセスをストー
リーとして組み立てていきます。私の立場は悩みと工夫のITコンサルタントです。
プロジェクトチームの事業部長の山田氏、営業課長の中川氏、SE課長の上野氏との
対話で進めていきます。
メンバーはすべて当メルマガの愛読者の方々です。ただ、実践は初めてです。

 今日はSWOT分析を用いて、事業ドメイン定義を行うまでのスケジュールの打ち合
わせに伺いました。
 伺いましたら、上野氏から早速、“事業ドメイン定義までの主要成果物をWBS
(=Work Breakdown Structure)を用いて作成しましたの
で、原案として討議いただけませんか?”と資料を提出されました。

 上野氏:事業ドメインを定義するまでのステップを4ステップに分け成果物を捉えて
みました。
     (注)4つのステップとは「強み・弱み要因、機会・脅威要因を整理した
      SWOT分析表の整理」、「SWOT要因を組み合わせて創出するCSF
      (Critical Success Factor)表の作成」、「コ
      アコンピタンスによるCSFの選定」、最後に「事業ドメイン定義と事業
      選定」です。
 私  :良くできてますね。この手順で進めていけば良いと思います。
 中川氏:問題はこれらの成果物をいかに的確にまとめられるかですね。
 私  :そうですね。よく成果物の意味を理解しながら進めていかないと的確な
     成果物になりません。SWOT分析表から順番にすすめていきましょう。
     まず、強みと弱み要因を挙げてみたいのですが、強みとはどんな要因でした
     か?
 中川氏:これらの要因というのは業界環境、すなわち同業他社に対する自社の
     強み、弱み要因でしたね。弊社はPCやサーバーをITベンダーとして販売
     能力を有していますが、これは強み要因と考えて良いですか?
 私  :ITベンダーであればとこでも持っている1次レベルの能力や設備は同レベル
     なので、強みとはいいませんね。差別化できる優位性のある要因が強み要因
     となります。
 中川氏:それでは、PCやサーバーを最新のネットワーク化するスキル、導入機器や
     システムに対するヘルプデスクを組織化しています。これらは強み要因です
     ね。
 私  :そうです。ITベンダーにとってPCやサーバースキルといった1次レベルの
     スキルでなく、1次レベルスキルのシナジーによる2次レベルのスキルや組織
     機能は強みになります。差別化でき、ビジネスを獲得できる競争優位に立て
     るからです。
     整理してみましょう。
     強み・弱みの要因は経営資源と経営機能から出していきます。
     経営資源からの要因には差別化できるスキルを有する従業員、
     すなわち「ひと資源」。優位性のある商品/サービスや設備を有した「もの
     資源」、余裕ある投資ができる「かね資源」があります。
     もうひとつの差別化要因は組織機能としての経営機能です。販売機能、製造
     機能、経理機能等の組織機能としての強さです。
     たとえば、セル生産方式、強い販売店舗、ヘルプデスク等はこの経営機能の
     強みになります。
     「弱み」要因は同業他社に対してこれらの要因が競争優位に無いものを言い
     ます。
 山田氏:今後、強くしようとしている仕組みがありますが、これは強み要因ですか?
 私  :強み・弱み要因は現在の能力を言います。今後の強み要因は現在能力を有し
     ていないのですから、強み要因とはいいませんね。強み、弱みとは現在の
     能力に対して定義します。
     それでは、強み・弱み要因を挙げてみましょうか。
 みんな:了解。

 (作業)・・・・・・・・・

 山田氏:機会・脅威要因とは競合他社とのビジネスチャンス要因とロス要因と考えて
     おけば良いのでしょうか?
 私  :良い質問ですね。それでは今度は機会・脅威要因に移りましょう。

第80回はここで終了します。今回は強み・弱み要因の意味の共通認識でした。実践で
出てくる疑問点を整理しました。
次回は、テーマ「SWOT分析-2」で機会・脅威要因の意味を考察していきます。

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