CSFの選定1-選定ステップ

今日は昨日までのSWOT分析で創出されたCSF(=Critical Succ
ess Factor:重要成功要因)を選定がテーマと聞き伺いました。
 プロジェクトメンバーがCSFを眺め、CSFの選定を如何にすべきかを議論してい
ました。
  
 山田氏:メンバーで議論していたのですが、CSFの選定といっても、何か基準が
ないと選定できませんね。たとえば、優先付けのような。
 私  :そうですね。あるべき姿のCSFが出ていますので、事業体力に合った
CSFに絞り込むことが必要です。
そのためには、少なくともCSFの優先度が必要ですが、それ以前に選定
までの手順を捉えておくことが必要ですね。その選定の手順は「CSFの
整理」→「CSFとコアコンピタンスの関連付け」→「CSFの優先度付け
と選定」となるでしょう。
上野氏:よく分かりませんね。手順における各ステップの内容がちょっとイメージ
できません。具体的に説明いただけませんか。
私  :分かりました。順を追って説明しましょう。
     「CSFの整理」には2つの観点を留意しておく必要があります。
その最初の1つは「事業に直接結びつかない間接的なCSFと直接結びつく
CSFの整理」です。
たとえば、「ERPシステム導入による情報分析の迅速化」、「Webに
よる双方向の顧客取引情報交換のしくみ」などは事業の収益を直接上げる
     要因ではありませんが、全事業に必要なインフラのCSFです。
これを共通CSFとして区別しましょう。
     共通CSFは売上やコストに直接関係する営業活動や生産活動の裏方の
CSFですから,共通CSFの判断は直接収益を上げる要因であるか?”
 の観点でみて、そうでなければ共通CSFと判定できます。
 上野氏:共通CSFは事業施策に展開することからはずすのでしょうか?
 私  :そうではありません。共通CSFは企業の業務プロセスに絡んでいます
ので、事業部と言うより会社全体の社内の仕組みづくりとして重要なCSF
です。この仕組みづくりの施策展開され、事業施策と関連付けて実施される
ことになります。
     このため、直接事業収益を上げるCSFとして現れづらくなってきます。
     さて、もう1つは「CSFを事業別にまとめる」ことです。あるべき姿で
創出したCSFは経営ビジョンの事業をイメージしていますので、
“どの事業のCSFか”で事業とCSFを関係付けてグルーピングすること
です。
 中川氏:事業とCSFを関係付けて方針を明確にすることが出来ることは分かります
が、ほかに何かあるのですか?
上野氏:CSFは事業方針のベースになりますので、この妥当性の判断が必要になり
ますね。CSFは事業ビジョンに対する成功要因ですが、その実現可能性の
検討が必要です。
実現可能性はコアコンピタンスとの関係が必要になりませんか。
     というのは、コアコンピタンスが「同業他社より優位にある現有の経営資源
     や経営機能の能力」でしたので、関係付けることでCSFの実現可能性が
     見えませんか?
 私  :その通りです。想定したCSFにコアコンピタンスを結びつけることで、
     CSFの実現可能性が判断できます。
     ただ、CSFは3年後のあるべき姿から発想していますので、CSF実現には
     現有のコアコンピタンスに加えて、今後事業施策によって作り上げて
     いかねばならないコアコンピタンス(=今後のコアコンピタンス)が出てき
     ます。
     この今後のコアコンピタンスは今後育成するために投資することになり
     ます。この投資の大きさを判断することで実現可能性を判断できるわけ
     です。
 山田氏:現有のコアコンピタンスであれば投資はほとんどないのですが、今後のコア
     コンピタンスは経営施策の投資となっていくわけですから、今後のコアコン
     ピタンスの捉え方が重要になりますね!
 私  :そうなんです。 自社や事業部の投資能力を考慮して今後のコアコンピタン
     スを出していくことになります。その中で、事業に対し“投資が少なくリタ
     ーンが高い”と思われるCSFの優先度を高くし、そのほかのCSFを除外
     していきます。    
     さて、手順を追ってやってみましょう。
 中川氏:それでは、現在のわが事業部のIT販売・サービス事業のCSFとして創出
     しました「顧客別の24時間365日の統合ヘルプデスクができること」から
     やってみましょう。
  
 第85回はここで終了します。今回はCSFの選定ステップを議論しました。
 次回は、テーマ「CSFの選定2-コアコンピタンス」でコアコンピタンスに焦点を
 当てます。

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