経営施策策定-1 バランススコアカードとは?-その1

事業定義ができて、経営施策(事業施策)への展開のために「バランススコアカード」の復習が
行われています。
中川氏:えーと、バランススコアカードといえば4つの視点での施策展開と業績管理指標作り
でしたね。
上野氏:そう。「財務の視点」で経営目標の設定後、「顧客の視点」→「内部業務プロセスの
視点」→「学習と成長の視点」へと「目的→手段=目的→手段・・・」の関係で施策の策定
をするのですが、ちょっと難しいですよ。
 山田氏:実は私も難しいなと悩んでいるのだが、“顧客の視点というのは顧客満足度を上げる
ための施策でしょうが、何をもとに考えて施策を出せばいいのか”ちょっと困りますね。
 上野氏:そのことです。事業施策ですから発想に抜けがあってはいけませんし、思いついた
施策だけで良いはずはありません。やはり、施策発想の基になるメタフレーム(発想の
構造基盤)が必要ではないでしょうか。
 私  :その通りだと思います。作ってみましょうか。財務の視点は経営目標に対する施策
ですから、売上高向上、利益率向上、生産性向上などの施策になりますね。
 上野氏:それは分かりますが、問題は顧客の視点ですね。顧客満足度向上という施策は分か
るのですが、高品質で低価格な商品とかサービスは顧客満足度を上げますよね。
これらも顧客の視点で捉えるべきでないでしょうか。
 中川氏:他にも、同じ価格ならブランド物が良いし、商品を良く知っていて説明してくれる店員の
いる店も満足感がありますよ。
 私  :皆さんが挙げられた項目はすべて顧客の視点の施策として捉えてよいと思います。
     項目として整理すると、「品質」、「価格」、「納期」、「機能」、「サービス」、「リレーション」、
「ブランド」があり、事業の特性によって選択すべきでしょう。
 中川氏:なるほど、顧客満足度施策の下位構造の施策として、事業特性を考慮して策定する
      ことで、施策の抜けが少なくできますね。ところで、「リレーション」とは何ですか?
 私  :顧客との関係性のことで、2種類あります。関係性はお客様が信用してくれる関係の
ことを言うのですが、良好な人間的関係による信用とインターネットなどでの問題解決の
FAQのデータベースサービスなどはお互いの業務遂行を円滑にする関係性を築けます。
上野氏:このフレームは事業戦略目標によって、「品質向上」、「原価低減」、「納期遵守」、
「複合機能化」などの顧客の視点施策を設定することになりますね。
     この視点の下位である「内部業務プロセスの視点」の施策もここの施策設定で決まって
くることになりませんか。
 私  :そうです。この顧客の視点がキーとなります。顧客の視点はお客に満足していただいて
売上を向上できるためのWin-Winの施策を設定することになります。外向きの施策で
すね。
 中川氏:その“外向きの施策”とはどういう意味ですか?
 私  :バランススコアカードのバランスの意味は外向きの施策と内向きの施策がバランスしてい
ることが必要という観点です。外向きの施策とは財務の視点の施策と顧客の視点の
施策、内向きの施策とは内部業務プロセスの視点の施策と学習と成長の視点の施策
です。
 山田氏:ふーむ。売上は企業内の問題ではなく、企業の外にあるお客様からだから、お客様に
対する施策は外向き、お客様に買っていただくための仕組みや商品、サービス作りは
企業内の施策になるから内向きということですか?
 私  :そうです。解説いただいてありがとうございます。

第89回はここで終了します。今回は財務の視点と顧客の視点の討議でした。
次回は、バランススコアカードの下位の視点である、「内部業務プロセスの視点」と「学習と成長
の視点」の事業施策の考察を「経営施策策定-1 バランススコアカードとは?-その2」として
取り上げます。

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