最適化計画策定プロセス-全体プロセス

前回まででEAの概要は掴まれたと思います。今回からはEAのフレームワークに
沿って業務システムを作成していく手順とその手法を見ていこうと思います。従来、
私たちが民間企業で実践してきたことと対比しながら見ていくと良くわかると思い
ます。
ユーザー企業の立場で業務システムを導入しようとする場合、RFP(Reque
st For Proporsal)を出し、ITベンダーを選定しその協力の
下に「要件定義」、「基本設計」、「詳細設計」、「製造・テスト」、「システム
移行」の開発フェーズを通して「システム運用」と進みました。
一方、ITCプロセスでは経営戦略に沿った情報システム作りのプロセスですので、
「経営戦略策定」、「IT戦略策定」、「IT資源調達」、「IT導入」、「IT
サービス活用」の5つのフェーズを推奨しています。ITCプロセスはRFPを出す
「IT資源調達」の前に経営戦略とIT戦略策定があります。
EAの対象とするフェーズはITCプロセスのIT戦略策定のフェーズに該当し
ます。 このフェーズを「最適化計画策定フェーズ」と言います。政府の業務システム
構築には経営戦略策定のフェーズは組み込まれません。経営戦略に相当する部分は
国会で法律として決定されてきますので、その法律に沿って円滑に業務遂行するため
の情報システムの構築となるからです。法律化された業務ですので、お役人の業務
規定書は六法全書がそれに相当しますから、六法全書片手に仕事をしているとよく
言われています。
この業務をIT化するために、最適化計画策定フェーズにおける作業手順と仕様書、
活用手法等を規定し、共通なガイドラインとして「業務・システム最適化計画策定
指針(ガイドライン)」(現在は第4版)が作成され発表されました。
URL→ http://www.e-gov.go.jp/doc/20050202doc.pdf

最適化計画策定フェーズの作業のステップは「現状分析」→「見直し方針の作成」
→「将来体系の作成」→「移行計画の作成」の4ステップです。このフェーズの
終了後、「RFP」が作成され、ITベンダーとの「契約」、「開発」、「運用
/保守」、「モニタリング」というステップを踏むことになります。
最適化計画策定フェーズの4つの作業ステップを概観してみましょう。
「現状分析」では現行の業務プロセスと機能、情報等をBA、DA、AA、TAの
EAフレームに沿って整理します。「見直し方針の作成」では業務としての目標を
達せするための改善/改革要件をSWOT分析等を活用して見直し方針として策定
します。
「将来体系の作成」ではこの見直し方針に沿ってあるべき業務プロセス、機能、情報
等をBA、DA、AA、TAの将来体系EAとして作成します。「移行計画の作成」
は将来体系があるべき姿としての目標業務システムですので、そこに至るまでの移行
のステップを策定し、現行業務の以降方針を策定します。
以上の4つのステップを通して、RFP要件を定義済ます。
このステップが最適化計画といわれるフェーズです。政府調達の前段のRFPを作成
するまでのフェーズを政府自身で作成するようになったと言うことは大変な変革
です。また、この手順を標準手順、手法として民間企業が活用できるためのリファ
レンスとしても役立てようとしているわけです。

EAの最適化計画策定フェーズを述べてきました。次回からこのフェーズの具体的な
設計手法や内容に入って行きましょう。
第122回はここで終了します。
今回は「最適化計画策定プロセス-全体プロセス」を紹介しました。
 次回は「現状分析-分析手順」をとりあげます。

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