現状分析プロセス-ファンクション分析

ここからの解説は単なる説明というより、事例として話をまとめていこうと思い
ます。
DMM(Diamond Mandara Matrix)は3×3のマトリクスを用いて業務機能を分解して
機能構成図を作成する手法です。9つの升目の中央に対象業務を置き、左上の升目
から細分化されたサブ機能を時計回りに最大8つの升目に分解します。このレベルの
機能構成図を階層0といい、階層0のサブ機能を対象業務としてDMMを用いて業務分解
することで、より詳細な業務機能へと展開できます。
例えば、業務・システム最適化計画策定指針-ガイドライン(経産省)では文書管理
の例を上げています。階層0の文書管理の機能構成図は中央の升目に「文書管理」を
置き、サブ機能を左上の升目から時計回りに「文書受付」、「文書作成」、「決裁・
供覧」、「施行・発送」、「移管」、「廃棄」、「保存期間延長」、「管理簿作成」
となっています。この例でも分かりますが、サブ機能はイベントの処理順序に文書
受付から廃棄まで書き、保守業務、モニタリング業務と記述するのが一般的です。
機能構成図の階層1にはこれらの8つのサブ業務を対象にして、階層0と同様に
最大8つのサブサブ業務へ分解します。ガイドラインでは、「決裁・供覧」を階層1
の対象業務として取り上げ、この業務のサブ機能を「鑑作成」、「起案」、「決
裁」、「決裁文書件名簿登録」、「文書保存」の5機能に分解しています。同様に
して、階層2を作成しますと対象業務に対する最大8×8×8=512個の業務機能が定義
できることになります。
このDMM手法は全く経験の無い業務機能を整理する場合に非常に有効な手段となり
ます。この手法が最初に公的な資料として紹介されたのはITCプロセスガイドでした。
その手法がEAで正式に採用されています。両方ともに設計者が松尾明先生(青山監査
法人)であることに起因すると思います。私が担当しました共通業務の設計でもこの
手法を最初に使用し、機能構成図を作成しました。
共通業務は18府省の業務を統一するわけですが、18府省に全てインタビューする時間
は取れません。参加したプロジェクトでも機能構成図の全府省会合は1回(半日)の
チャンスしかありませんでした。そのため、先行していて、より大きな業務機能を
持つ府省の業務資料を下にプロトタイプの機能構成図を階層0と階層1で作成し、
会合で各府省毎のグループのワークショップ形式で追加、修正を加えてもらい、
最小公倍数の機能構成図(原案)を作成しました。
その後、この原案を各府省に配布し、機能として含まれていることの検証を依頼し、
改定して行きました。
18府省の共通業務といっても、従来、府省間のやり取りは皆無だったわけですから、
同じ処理機能でも手段や処理手順の違いがありますし、各府省の特性が出てきます。
プロトタイプアプローチを取っていくことで全府省会合から2週間で現行の機能構成図
を完成しています。
このファンクション分析の意図は業務機能の体系的な整理をすることと設計担当者が
業務の全容を概要理解することにあります。この機能図を作成することで、対話
できる能力が付き、作業が開始できるようになります。
正直言いまして、プロトタイプを作成しないとまとまり取れなくなったでしょうし、
プロトタイプも作成できない業者についてきてくれなかっただろうと思います。
この後、DFD手法により業務機能を情報の流れとして把握して業務の連携を具体的に
することができることになります。
現行の業務プロセスモデルを作成していくことになります。

第124回はここで終了します。
今回は「現状分析プロセス-ファンクション分析」を取り上げました。
次回は「現状分析プロセス-業務プロセスモデル作成」をとりあげます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする