現状分析プロセス-業務流れ図作成

 DFDを使用しての機能情報関連図は情報に焦点を当てて業務機能のプロセスフロー
 を作成していくので、情報システム化の分析では都合が良いが、ユーザーから見る
 と分かり難いところがあります。ユーザーの場合、業務機能は部門としてまとめ
 られ、部門間の情報のやり取りの関係で業務処理は遂行されています。
 したがって、ユーザーは業務機能と部門との関係が関連付けた業務フローでないと
 理解しにくい。EAのプロジェクトではこの問題をWFA(Work Flow Architecture:
 業務流れ図)を用いて解決しています。
 WFAは横軸に関係部門とシステムを置く。縦軸は特に項目は無いが、業務プロセス
 の順序に沿って上から下へ記述していきます。WFAで使用する表記記号は「業務・
 システム最適化計画策定指針」(ガイドライン)に記述されているので、ここでは
 記述ポイントを記述しておきます。
 ガイドラインURL: http://www.e-gov.go.jp/doc/20050202doc.pdf

 DFDの成果物である機能情報関連図は業務機能、伝票や資料の情報フローそして情報
 の停滞が記述されているだけです。ユーザー部門の業務の実態に合わせるためには、
 何処の業務機能が“手作業かIT化業務か”や“紙資料ファイルかITファイルか”、
 “どの部門で処理されるのか”といった業務の処理タイプ、情報の媒体、処理機能
 の所属部門を明確にしなければなりません。
 そのための表記記号と記述パターンが提供されていますので、実業務をほとんど
 そのままに表現できることになります。プロジェクトでもユーザーとの検討資料は
 DMMで記述された機能構成図とこのWFAで記述された業務流れ図を使用しました。DFD
 で記述した情報関連図は部門という物理的要素をはずし、業務の情報フローに焦点を
 当てた情報システムの観点での記述になります。
 設計担当者やIT担当者が顧客の対象業務を体系的に理解し、WAFへ展開するための
 中間ステップ資料の位置づけになりました。共通業務プロジェクトでは複数の省庁を
 束ねますので、このWFAは各府省の業務の最小公倍数で書かれた業務フローになり
 ます。各府省該当プロセスにマークをつけ、必要業務が含まれていることの確認と
 今後含ませたい改善業務としてのテーマもヒアリングを実施して行くことになり
 ました。当方はプロトタイプとしての全体業務像が持っていますので、現状業務
 プロセスの不具合が良くつかめることになります。

 このWFAは30年ほど前になりますが、業務改善用として産能大学が開発した方式と
 して随分活用させていただいた記憶があります。もっとも、表記記号やシステムの
 欄が無いなどの違いは有りますが、基本の考え方は同じと思いました。
 その当時、この方式が発展しなかった事由はDFDが無かったことによると思います。
 お客様の業務を始からWFAで書こうとすると横軸の部門を記述するのに枠数が定まら
 ないことと、IT化の観点では捉えるのに手間隙が掛かりすぎてお客様に嫌がられた
 ことにあります。
 IBMの方式のDFDは処理機能ボックスの表記記号に部門名を組み込み、DFD分析が出来る
 と、WFAの展開が容易になるように工夫されていました。
 第126回はここで終了します。

 今回は「現状分析プロセス-業務流れ図作成」を取り上げました。
 次回は「現状分析プロセス-情報分析図」をとりあげます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする