現状分析プロセス-情報分析図作成

DFDとWFAによって業務フローが把握できましたが、業務処理機能間の情報は伝票や
資料、データレコード名称で作成されています。これから捉えていくのはこの伝票
や資料等のデータ項目がどの処理機能、何処のマスターから得られるかを関係付け
て行きます。ここからの成果物はデータ体系の成果物になります。
この作業によって、現状の業務プロセスで使用される伝票や帳票等に含まれる
データ項目が「何処のマスターか」、「どの業務機能での入力か」、「どの業務
からの引用か」を捉えることで業務機能の入力と出力情報である伝票や帳票を関係
付けて整理します。業務機能は情報の入力と出力を捉えることで、定義できると
いう考え方に基づく分析方法です。
外部設計の考え方と同様で処理機能の認識レベルがまったく関係なく、業務機能
への入力と出力情報のみに目を向けて分析するわけですから非常に客観的で初心者
にも分析できる方法です。
使用する分析表は情報分析図(EEM:Entity Event Matrix)と言います。
この図の作成方法は現状の使用帳票と使用画面を集め、データ項目をエンティティ
情報とイベント情報に分類し、整理します。エンティティ情報とは「ひと」、「も
の」、「かね」に分類される固定的なマスター情報です。例えば、「もの」情報と
して、商品を取り上げると「商品番号」、「商品名」、「商品単価」などのデータ
項目は「もの」情報エンティティのデータ項目と言うわけです。
イベント情報とは都度発生の取引情報で、顧客や仕入先などの外部からの要求に
よって発生する「外部イベント」と出荷処理や決算処理のようにある時期や時間に
よって発生する「タイムイベント」があります。例えば、受注処理という機能は顧客
の注文によって発生する外部イベントですし、「受注番号」、「受注数量」、「受注
納期」などのデータ項目は「受注」情報イベントのデータ項目と言うことになり
ます。今までなじみのある言葉を使えば、トランザクションファイルデータ項目と
言ってよいでしょう。
このEEMの形式は横軸に業務プロセスに沿って業務機能を順番に配置します。縦軸には
エンティティ、イベント、出力情報を順に配置します。エンティティ分類をまとめて
上位に、イベント分類はエンティティの下位に業務処理順として並べ、出力としての
情報を最後段に配置します。
参照ガイドラインURL: http://www.e-gov.go.jp/doc/20050202doc.pdf 
の96ページです。
イベントの処理は業務プロセスの順に進みますので、上から順に、左から右へ出力
情報と操作の関係を記述して行きます。
処理記号として、“E”(Extract:抽出)、“I”(Input:入力)、“M”(Move:
移動)、“(E)”(前の業務のExtractデータを使用)の5つの記号をデータ項目
に対応させて使います。
例えば、受注請書はイベントの受注入力処理で商品番号、受注数量、納期等を入力
するので、受注入力処理に“I”を記述。商品名や単価等はエンティティデータ項目
の商品名、単価を抽出してくるので“E”と記述する。このデータを用いて、受注
金額、受注番号等を計算・生成し、受注請書が作られる。後続の発注処理に進む場合
は、この処理記号に加えて、受注処理で入力したデータを“M”して使用したり、
エンティティで抽出したデータ項目を継続して使用する“(E)”を用いることに
なります。
 この情報分析図は現在使用している帳票や資料などのデータ項目をマスターやトラン
 ザクション情報をデータ属性によって分類し、出力情報を業務フローに沿って情報の
 みの関係として記述することで抽象化した業務プロセスとして作り上げます。
 ガイドラインではイベントを業務機能でまとめていますが、実際には、イベントは
 業務機能の情報としてデータ項目を記述しました。イベント処理での入力データ項目
 が明示されることで入力データ項目と出力の帳票との関係がより明確に定義でき
 ました。
 共通業務などで多くの府省業務を1つにまとめていく場合必須の作業となります。
 最近は一般の企業でもグループ全体で基幹業務使用する例が増えています。同様の
 設計作業が必要となります。

 第127回はここで終了します。
 今回は「現状分析プロセス-情報分析図」を取り上げました。
 次回は「現状分析プロセス-情報体系整理図」をとりあげます。

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