見直し方針プロセス-業務環境分析・主要課題抽出その1

EAでの「業務環境分析・主要課題抽出」というのは、ITCプロセスでのSWOT分析に
よるCSF策定の作業と手順は同じです。違いは「SWOT要因の捉え方」と「CSF抽出の
方法」が異なります。
その1つの「SWOT要因の捉え方」は、EAの検討対象は業務プロセスですので、業務
プロセスを中心に置いたSWOT分析になります。業務機能や業務プロセスとしての
強み/弱み要因、この機能やプロセスに影響を与える機会/脅威要因という捉え方を
することです。
一般に企業環境で行う場合は、機会/脅威要因は外的要因でPEST(政治、経済、社会、
技術)要因と同業他社要因になるのですが、EAでは業務プロセスが対象ですので、
この業務機能やプロセスに影響を与えるこのプロセス外の要因が全て外部要因となっ
てきます。また、強み/弱み要因は対競合企業を目標において経営資源や経営機能の
強さ/弱さ要因を発想していくのですが、業務プロセスに対する強み/弱みでは対象と
する業務はありません。
そのために、EAの目標である最適化に焦点を当てて目標を設定することになります。
この目標に対して強み/弱み要因を発想していくことになります。この目標には業務
最適化に対する共通の目標として「予算効率性の高い簡素な政府の実現」と「業務
効率化・合理化、利便性の維持・向上、安全性・信頼性の確保及び経費削減」があり
ます。
「予算効率性の高い簡素な政府の実現」とは費用対効果を向上させることで、共通
業務などがより強い対象となり、最適化目標として掲げられることになります。
つまり、18府省で実施している物品購入業務、交通費等の経費処理としての官房業務
など共通業務は各業務に、もし1億円の運用費がそれぞれの府省で計上されており、
システムの一元化・集中化を行い3億円で賄えることになる、と15億円の削減になり
ます。この数値が目標値となり、システムの一元化・集中化が目標となるわけです。
日経コンピュータ(2006/4/17)にEAの記事が出ています。
“全省庁の業務・システム最適化計画が出揃い、90弱のシステムがこれから調達、開発
フェーズに突入します。今後の5年間以内に順次運用開始され、5年間合計で1244億円
のシステム運用費の削減と年間の業務処理時間の短縮607万人日を見込んでいます。”
このことが予算効率性です。
もう1つの「業務効率化・合理化、利便性の維持・向上、安全性・信頼性の確保及び
経費削減」とは、多くのことを含んでいますが、もっとも大きな観点は今年の
IT新改革戦略にあるユビキタス環境の実現です。国民が“いつでも、どこでも、
だれとでも”コミュニケーションが出来る利便性の環境の実現です。この考え方に
基づいて、国民に対するサービスの接点は出来るだけインターネットによるサービス
を提供する環境の実現が進められています。ヤフーや楽天のように検索自由で何か
購入したり、依頼するときにはユーザーは必要情報を1度入力するだけでその要求され
た処理を完結する「One Writing System」が基本となっています。国民との接点が
インターネットになると安全性・信頼性がクローズアップされてきます。この対策と
して内閣官房情報セキュリティセンター(NISC;National Information Security
Center)を立ち上げ対策が講じられつつあります。
URLはここです。⇒http://www.bits.go.jp/
「業務環境分析・主要課題抽出」の作業で一般の企業での方法と異なるもう1つは、CSF
の抽出方法です。このテーマは次回に譲ります。
第130回はここで終了します。

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