日本版SOX法の法律条項

 一般に日本版SOX法という用語で一般に呼ばれていますが、このような法律名は存在しません。この用語の由来はかなり輻輳しているので整理することにしましょう。

 正確には、平成18年3月13日国会に提出し、6月7日に成立した「金融商品取引法案」を指し、今後法律化される法案です。この法案は証券取引法を中心に複数の金融関連法を統合したものです。

通称で投資サービス法案と呼ばれ、企業に対して、内部統制や四半期の開示を義務付けます。この内部統制に関して、2005年12月8日、金融庁企業会計審議会内部統制部会が「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準案(以下基準案)」をまとめました。

 この基準案が「金融商品取引法案」に盛りこまれました。
日本版SOX法と呼ばれているのは、この内部統制が米SOX法の404条をもとに作成されたことによります。
404条は財務報告に係る内部統制の評価について経営者が年次報告での開示と外部の監査法人がその内容を評価して監査報告書を発行していることを義務付けています。

 金融商品取引法(日本版SOX法)では「経営者の内部統制義務付け」(第24条の4の4)と「外部の監査人が監査することを義務付け(第193条の2の第2項)が相当します。

 日本版SOX法、すなわち「金融商品取引法案」は財務諸表に焦点を当てた内部統制の仕組みを取り込むための法律となります。

 今までの会計監査との違いは財務諸表を作成するための内部統制の構築・整備を行い、報告時に内部統制の仕組みを自社内で評価することに前提があり、外部の監査法人はこの「内部統制の社内評価」を検証と報告された財務諸表の「財務諸表監査」の両面から監査することになります。

 従来の会計監査は企業の会計報告である財務諸表を外部の監査法人が企業の会計処理の仕組みと報告内容の信頼性を監査するのみでありましたが、今回の法律では企業内部で会計処理に対する内部統制を義務付け、経営者が報告書として提出する義務があります。

外部の監査人はこの報告書を正しいものとして財務諸表の監査を行うことになります。

 この内部統制に対して虚偽の報告をした場合、報告した経営者や企業は法律違反となり罰則を受けることになります。その内容は次のように規定しています。

 「重要事項に虚偽記載のある有価証券届出書等の提出が有る場合」は懲役10年以下、
  罰金:個人1000万円以下、法人7億円以下

 「有価証券届出書等の不提出」の場合は懲役5年以下、罰金500万円以下、法人5億円
  以下

 この制度の施行が2008年4月の会計年度から実施されたために、特に上場企業は大慌てしたのです。

この内部統制の仕組みを整備するには最低1年から1.5年は期間が必要と言われています。
 
 次回は「COSOレポート」をテーマに取り上げます。

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