日本の監査制度

 今回の日本版SOX法で監査制度が変わり、現行の監査制度に比べて厳しくなります。

 現行の制度では企業が自社内で財務諸表を作成し、外部の監査法人が内部統制のプロセスを評価し、財務諸表の監査を実施する手順でしたので、報告の内容は監査法人任せでした。

新制度では企業が自社内で財務諸表を作成することは同じです。

 その作業に加え、内部統制のプロセスを社内評価し、それを監査法人に報告しなければいけません。
監査法人はこの内部統制の評価報告書を監査し、財務諸表の監査を行うことになります。
新制度では企業内部に監査部門を持ち、その内部統制の監査報告に対して経営者が責任を持つことが必要になりました。

 新制度の監査の特徴は以下の4点にまとめられます。

 ◆「トップダウン型のリスクアプローチ」を取り入れたこと。つまり、経営者は連結ベースでの全社的な内部統制を評価する経営者による責任体制を取り入れたこと。

 ◆「ダイレクト レポーティングの不採用」したこと。直接監査法人へ報告するダイレクトれポーティングは扶養にしました。業務規定マニュアルがあり、キッチリと適用されていることを前提に社内でテストして、それが文書化され、報告されていれば良いということにしました。
つまり、監査人はその報告の実効性を検証し、その前提で財務諸表監査を行うことになります。

米国SOX法では内部統制も外部監査人が監査する必要があります。
この点は日本版の方が費用、工数ともに楽になりますが、経営者の責任は重くなります。

 ◆「内部統制監査と財務諸表監査の一体化実施」を可能にしました。
内部統制監査は財務諸表監査と同一の監査人が実施して良いということは監査証拠を双方で利用することが可能になり、効果的かつ効率的な監査の実施が期待できる。

  この基準も米国とは異なります。米国では同一会計事務所が実施するが、担当者は異なることも可能としています。この点も日本版のほうが費用、工数ともに楽になります。
ただ、米国の方が第3者牽制は厳しく働くことにはなると思われます。

 ◆「監査人と監査役・内部監査人との連携」を可能にしたことがあります。
このことで、監査人は監査役などの監視部門と適切に連携し、必要に応じ内部監査人の業務での資料等を適切に利用できるようになります。

 まとめますと、経営者へ財務諸表作成とそのプロセスへの内部統制責任を持たせ、外部監査人との責任と役割を明確に分離したことに特徴があります。

 今回はここで終わります。

 次回は内部統制の目的である“財務報告の信頼性”の基準である「財務諸表アサーション」をテーマに取り上げます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする