ITに関するエンタープライズアーキテクチャ

COBIT4.0におけるITの達成目標を支える“ITにかかわるエンタープライズアーキテクチャの構成要素”、ビジネス達成目標の3番目の最終展開要素に付いて述べておきましょう。

ビジネス達成目標は、ビジネス成果とその成果を統治するガバナンス要因を基に設定されました。

ビジネス成果に基づくIT達成目標は、その成果に適合した業務プロセスとそれを支えるインフラストラクチャ等の目標に展開されることが必要になります。

それらの業務プロセスは、ほとんどが情報システム化された業務です。

IT化された業務を取り上げるとすれば、その業務プロセスを構築し、運用するITプロセスが重要な役割を果たすことになります。このITプロセスの構成要素には「アプリケーション」、「情報」、「インフラストラクチャ」、「要員」といったIT資源がありました。
IT資源の要素を少し解説しておきましょう。

◆「アプリケーション」とは、情報を処理する、自動化されたユーザーシステムおよび手作業による手続と定義されます。
例えば、IT化された販売システムをみますと、その業務プロセスや処理は、IT化された販売管理システムと上司の承認等人手に係る処理の混在です。全ての業務がその形態を有していると思います。
このIT化された処理と人手による処理の両方を兼ね備えたアプリケーションです。

◆「情報」とは、ビジネスで使用される任意の形式で情報システムに入力、処理、出力されるデータ。
例えば、マスターやトランザクションファイルなどの集積データ、入出力のフローデータが該当します。
IT 達成目標を支えるアプリケーションとしての処理とその処理を支える情報です。

◆「インフラストラクチャ」とは、アプリケーションによる処理を可能にする技術および設備。
例えば、OSやネットワーク技術やコンピュータ室の設備などを言います。
アプリケーションと情報を支えるIT 基盤です。
IT基盤にはソフトウエアやハードウエアがあります。
アプリケーションや情報を支えるためのIT基盤に対する業務の安定的運用が必要になります。

◆「要員」とは、情報システムとサービスの計画、編成、調達、導入、提供、サポート、モニタリングおよび評価に必要な要員。
つまりCOBITで定義するITプロセス業務に携わる人々です。
ITプロセスに係る要員の能力がITに係るエンタープライズの目標を達成する重要な要因となるのは疑問のないところでしょう。
IT資源はIT化されている資源を対象としていますが、IT化されていない業務プロセスもあります。
これらの要因もITプロセスの要件として考慮し、その連携を図らないとビジネス成果を達成することは不可能となります。

また、ITガバナンス要因から捉えてみますと、これらのIT資源の定義の範疇に無い、ITに係らない経営リスク要因などもあります。
たとえば、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)など、ITに係らない緊急時の業務プロセスとなります。
これらの要因もITプロセスへの考慮が必要です。

このように、IT資源の範疇に無い要因を考慮したITプロセスによってITの達成目標が達成できるとCOBIT4.0では述べています。
COBIT3.0と比べて、“ITガバナンスはビジネス目標の達成にある”に視点を置いて記述していることが大きな特徴です。

次回は、「COBITの4つのITプロセスモデル」の構成要素について解説します。

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