IT成熟度モデル-その2

今回は、成熟度モデル実践基準と成熟度モデルの属性を取り上げてみようと思います。

実践基準と言う言葉は、このCOBIT4.0で始めて取り上げられたと思います。
この成熟度モデルの実践基準について解説していきます。

COBITでは、4つのドメインの34のITプロセスが全て成熟度レベル5となることが必要といっているわけではありません。

各企業の能力や体力において、または実施年度において、適正な成熟度レベルの設定はそれぞれに異なるわけです。

企業のビジネス目標、運営環境、業界の競合企業が設定している「実践基準」等によって、自らの実践基準が決まります。

つまり、企業にとっては、競合企業に比べてビジネス上優位となるIT業務プロセス能力(=競争優位に立てる能力)を有すれば、競争優位を勝ち取ることが出来ます。

ずば抜けた優位性を持つために余分な投資は必要は無いわけです。

実践基準とは、原典では“Practice”と記述されています。当該企業の能力や体力において達成可能な成果であるIT成熟度活動レベルが実践基準ということになります。

現在の成熟度がレベル2で、IT達成目標に対応すればレベル3が適切とします。
この適切レベルを判定する基準が実施基準です。

この成熟度の実践基準を決めるにしても、何を持ってその成熟度を判断するかが必要になります。
たとえば、トップからの周知徹底、標準プロセスの度合い、スキル、責任体制等などそれぞれの観点で成熟度レベルが判定できるわけです。この視点をCOBITはIT成熟度の属性としてまとめています。

「一般的成熟度モデル」で成熟度レベルについて述べました。“この成熟度レベルは、どんな観点でみて測定すれば良いのだろうか?” と思われた方も多いと思います。

COBIT4.0では、その観点を、「成熟度属性表」としてその要件を属性としてまとめています。
「一般的成熟度モデル」の成熟度レベルを達成するための評価視点とみて良いでしょう。

この属性には、「認識および周知」、「ポリシー、標準、および手順」、「スキルと専門知識」、「実行責 任および説明責任」、「達成目標の設定および成果測定」の6属性を定義し、成熟度レベルを記述し設定しています。

それぞれの意味は、
★「認知および周知」:プロセスの必要性の認識と周知の度合い

★「ポリシー、標準および手順」:プロセスの実施基準に対する方針の下での手続き
の標準化度合い

★「ツールと自動化」:プロセス管理に対しツール(IT化)によってプロセスを
自動化している度合い

★「スキルと専門知識」:プロセス遂行と管理に対する専門スキル向上のための研修
や資格の取得の修得度合い

★「実行責任および説明責任」:プロセスオーナーの意思決定に対する説明責任と
プロセス遂行の実行責任の定義と役割の浸透度合い

★「達成目標の設定および成果測定」:ITプロセスの効率性や有効性に対する成果
目標と成果測定プロセスの整備とビジネス達成目標への関連付けがなされ、
モニタリングが行われている度合い。

一般成熟度に対するこの6属性にも5段階の成熟度が定義されています。
ということは、ITプロセスに対する6段階の成熟度はこの属性の成熟度をまとめて記述されていることになります。
成熟度向上施策はこの6つの成熟度属性に対して対策を講じれば良い事が分かります。

今回はここで終わります。
次回は、「IT成熟度モデル-その3」で、内部統制の成熟度モデルを取り上げます。

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