経営目標と経営成熟度

前回、優先度の高いCSF(Critical Success Factor:重要成功要因)を経営方針として
選択すると申し上げました。
経営ビジョンが一般に3年後のあるべき姿としますと、この経営方針に基づいた経営目標もあるべき目標ですので、かなり現在の目標より高い目標が掲げられることになります。
当然、新しい組織や業務プロセス、新しい知識の導入が必要になってきます。
ここに成熟度のテーマが出てきます。

あるトップメーカーA社では、社長の出した指示が1日で全社に行き亘るそうです。
同業種で2位のメーカーでは、全社に行き亘るのに1週間は掛かるとおっしゃっていました。

成熟度の違いです。
この2社の組織レベルの違いは、成熟度のレベルの差と考えて良いでしょう。
経営成熟度レベル3は、「標準プロセス」を持ち、「文書化」がなされ、「周知」のための仕組みが出来ている状態をいいました。
また、レベル4は、レベル3に加えて「モニタリング」による検証と是正報告の仕組みがあり、標準プロセスに対するPDCAが出来上がっている状態でした。

両社をこのレベルの観点で見てみましょう。
A社もB社も社員に周知させる仕組みを有していますので、レベル3の状態は出来ている
ようです。
しかし、B社は社員の周知に1週間を有していますので、標準プロセスが出来上がっているとはいえないかもしれません。“レベル2.5?”辺りかもしれません。
一方、A社は1日で伝わります。
標準プロセスに加え、是正のプロセスによって周知レベルが向上していると想像できます。成熟度レベルで言うと、“レベル4.0UP”と考えて良いと思います。

話を経営目標との関係にで考えてみましょう。
以前、キャノンの元会長である御手洗氏が、“短期の経営目標を10%以上に設定すると、非常に不安で現場に何度も足を運んで達成可能かを確かめた。”とおっしゃっています。
デルが日本市場でPCでトップシェアを確保するのに、2002年から3年をかけています。
売上は3年後で1.5倍ですので、御手洗氏の感覚と似通っています。
経営目標は、通常去年より今年が上位に設定されますが、一般的に要員はその増加分増強できることは少ない場合が多いです。
そうすると、業務プロセスの改善・改革を図り、少人数で各要員の能力の向上と業務効率化を図ります。つまり、成熟度向上を図るということです。

通常、現行事業というのは、競合他社を有しています。相手の市場を凌駕することが必要になります。
同業他社に対して打ち克つためには競争優位に立つた業務プロセスと組織能力としての成熟度をもつことが必要になります。
成熟度を高め、同業者を凌駕する短期目標としての経営目標は、1年間で売上10%アップは精一杯であろうということでしょう。

今回はここで終わります。
次回は、「経営戦略論とSWOT/BSC」を取り上げます。

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