BPMと要求定義

前回、情報モデルを取り上げましたが、この情報モデルをシステム化に向けて定義していくことが大変です。
“動かないコンピュータ”の原因は全てここにあります。
通常は、“要件定義をしっかりやれば”というのですが、システムが経営戦略を受けてエンタープライズ化した現状では、この要件定義の分野が大きくなりました。
そうなってきますと、この要件定義は経営戦略から、システムコンポネント設計までユーザー要求を的確に反映するステップが必要になってきます。
いわゆる“要求定義”といわれる分野です。
そこに活用されているのが、ジェネリックモデルにあるビジネスプロセスモデルであり、手法としては、DFD(Data Flow Diagram)です。
経営戦略からシステムコンポネントまで絞り込んでいくには、6つのステップでのビジネスプロセスモデルが必要になります。
この5段階のモデルを管理していくのがBPM(Business Process Management)というわけです。

5段階のビジネスプロセスモデルをエンタープライズシステムの観点で考えてみてみましょう。

◆第1レベルプロセスモデル:バランススコアカードを用いて、“内部業務プロセス”、“学習と成長の視点”の戦略目標を作る。
この戦略目標の中でIT化業務分野を特定します。ITCプロセスで言えば、“IT戦略領域課題”、DFDで言えば“コンテキスト”の表現レベルです。

◆第2レベルプロセスモデル:戦略目標をCOBITの情報要請規準によってIT目標に変換し、ビジネスプロセスモデル0のDFDを記述する。
エンタープライズシステムを対象とするときは、企業間および事業間のプロセスを分析・定義しIT目標に対する課題を把握することになります。
サプライチェーンの改善目標ですね。

◆第3レベルプロセスモデル:事業内の業務プロセスを分析・定義し、DFDで記述する。
ビジネスプロセスレベル1のDFD記述です。販売、生産、経理業務などといったレベルがそれに当ります。業務ルールも設定が必要です。

◆第4レベルプロセスモデル:業務プロセス内の業務機能を分析・定義し、DFDで記述する。
ビジネスプロセスレベル2のDFD記述です。販売業務で言えば、受注受付、在庫引当、出荷指示などといったレベルがそれに当ります。業務処理のルール定義や入出力、ファイルの外部定義が必要です。

◆第5レベルプロセスモデル:業務機能のコンポネント機能の分析・定義です。
受注受付 処理で言えば、受注の受付、編集、検証、確定、登録などといったレベルがそれに当ります。
エンティティ−イベントをして標準化できるプロセスの定義です。

サプライチェーンカウンシル(SCC)のSCORでは、ここで言う第2レベルプロセスモデルをレベル1としてレベル6までの分類をしています。
ビジネスプロセスモデルとしては参考になります。
また、BPMS(BPM Suit)というパッケージと絡んだ動きが出てきています。
ビジネスプロセスモデルの展開を組み込み、システム構築までつなげていこうという考え方です。
IDS Share AGの「ARIS」やSAVVION社「Savvion Business Manager」などがそうです。

今回はここで終わります。
次回は、IT戦略のテーマとして「要求定義とITCプロセス」を捉えてみます。

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