経営戦略策定プロセスとは

経営ビジョン、経営方針、経営目標のもとに、経営戦略を策定する位置づけであったが、この経営戦略を策定するプロセスは経営プロセスの原典であるホーファー&シェンデルのプロセスが分かり易いので参照する。

経営戦略を策定での最初の実施ステップは
(1)現行の経営状態把握
現行の経営ビジョン、方針、目標、戦略、施策とその成果(事業の売上、利益等)および達成/未達成分野を把握する。
現行の経営状態把握ができると、次は

(2)主要な戦略的機会と脅威を明確にする
経営環境には企業外の外部要因から影響を分析する「環境分析」と自社の経営力を分析する「能力分析」がある。


■「環境分析」には‘PEST’、すなわち政治(Political)、経済(Economical)、社会・文化(Social)、技術(Technical)といったマクロ環境と業界、競合、市場(顧客)といったミクロ環境がある。これらの外部環境要因を分析することで、今後ビジネス収益向上の可能性のある「機会分野」とビジネス収益が低下する可能性のある「脅威分野」を捉えることが出来る。
e-Japan やu-Japan はIT 企業にとっては大きな機会となっている。

■「能力分析」にはひと、もの、かねの経営資源と販売、生産、経理といった企業活動の機能としての経営組織がある。この内部環境を同業他社との比較で分析すると、市場競争力のある商品、社員のスキル、サービスの質等を支える経営資源や組織としての企業力が見えてくる。すなわち、収益を高める「強み要因」や収益を落とす「弱み要因」が抽出できる。
以上のような環境要因と能力要因分析を踏まえて経営戦略を立案する。
(3)戦略的代替案を立案
外部環境に対する「環境分析」、内部環境に対する「能力分析」によって、機会要因/脅威要因、強み要因/弱み要因が明確になると、これらの要因を組み合わせることで事業収益分野が見えてくる。機会環境に強み要因が適用可能となれば強み要因を強化する成長戦略を採用できるし、逆に、弱み要因であれば競争に打ち勝つための競争戦略を策定していくことになる。
この戦略を成功させる要因をCSF(Critical Success Factor:重要成功要因)という。
たとえば、外部環境としてe-Japan 施策でインターネットによる“ワンストップサービス”を目指した電子政府システム作りが進んでいる。インターネット関連の企業であれば、有望なビジネス収益分野となる。成長戦略のCSF はこのワンストップサービスを構築できる能力や受注を取るための仕組みになる。
経営戦略案ができると、これを企業として実施する決断を下し、最終的な経営戦略とする意思決定が必要になる。
(4)戦略的意思決定を下す
経営戦略案として、複数の戦略案が作成される。その中には投資を積極的に実施し収益を向上させていく積極案と投資はあまり行わず現行の利益率を堅実に維持していく消極案などが比較の観点で作成される。
提出された戦略案は、まず経営者の価値観によって選択される。たとえば、ソフトバンクの孫氏や日産のカルロス・ゴーン氏は積極的経営者の部類であり、戦略をみても積極策が採用されている。さらに、社会的責任を全う出来ていることを検証する。社会的責任の欠如は企業の消滅を招く恐れがあるからである。このようにして、採用すべき経営戦略案に意思決定を下し、自社の価値観や能力に合った経営戦略が選定又は修正されて、実施されることになる。