バランス スコアカードによる経営施策展開

バランス スコアカードの4 つの視点の意味を把握できたので、その活用に焦点を当てる。
1つは「4 つの視点の因果関係」による経営施策への展開への活用、もう1点は「業績評価指標の設定」への活用である。

「4 つの視点の因果関係」から話を進める。
バランス スコアカードの4 つの視点には「財務の視点」から順に「顧客の視点」、「内部業務プロセスの視点」、そして「学習と成長の視点」の間に因果関係がある。
その関係が成り立つとすれば、財務の視点である経営目標をトップダウンで従業員に対する施策まで展開できることになる。その関係を捉える。

◆財務の視点
「財務の視点」での目標は売上高や利益高であり、経営施策は売上高向上、利益率の向上やコスト低減といった収益(=売上や利益)に直接関連するものであった。
“この収益向上のための施策は何であろうか?”
収益が上がるということは、お客様が商品やサービスを購入してくれるからである。
又、当たり前の質問だが、“なぜ購入してくれるのであろうか?”
当然、その商品やサービスがその顧客のニーズやウォンツに合致する顧客の満足のいくものであるからであろう。
すなわち、顧客満足度が高いと収益が向上することになる。これは顧客の視点と因果関係があることを表している。

◆顧客の視点
収益を向上するためには、顧客に対する施策が顧客の満足度を高め、購買意欲を高めるものでなければならない。
顧客の満足度の要件を考えると、品質が良く、安価で、必要なときに入手できると満足度が高くなる。これらの要件を顧客満足度が高まる3大要件として捉えると、そのような要件を満たすための仕組みが必要になる。これらの仕組みは社内の業務機能やプロセスで作り出すしかありえない。
すなわち、バランス スコアカードでの「内部業務プロセスの視点」の施策に懸かってくるわけである。

◆内部業務プロセスの視点
顧客の満足度向上の要素である
・「品質を良く品質を良くする」には、性能の良い機械を設置や製造手順や標準化をすることによって欠陥品を最小限にする工程や業務手順・標準を作る必要がある。
・「安価な商品を作る」には、不良品を無くす仕組みに加えて、不良在庫を抱えない仕組みを構築する必要がある。
・「顧客が必要なときに入手できる」ためには、業務プロセスを納期ぎりぎりでなく、早めのリードタイムに仕上げる仕組みや物流体制の整備が必要となる。
これらの施策は顧客の満足度を高めるための「内部業務プロセスの視点」での経営施策として設定されることになる。顧客の視点との因果関係がなりたっている。

◆学習と成長の視点
内部業務プロセスの視点での経営施策を達成するにはその業務プロセスに従事する従業員やマネジメントのスキルが係わることになる。
すなわち、内部業務プロセスの視点で打ち出された経営施策に対して、その業務を遂行できる従業員やマネジメントの実施能力を高める研修やOJT 指導が必要になるし、実践における知恵や、工夫を速く他の従業員に伝達・周知できることが必要である。
そうすることで、より効果的な内部業務プロセスでの経営活動ができることになる。
これらの施策は「学習と成長の視点」の経営施策として設定される。
以上、見てきたように、「財務の視点」から「学習と成長の視点」までの施策には上位から下位の視点に対する因果関係が存在することがお分かりになるだろう。
ロバート・S・キャプランは経営施策をこの因果関係をもとにしたトップダウン展開で策定することを提案した。この因果関係のある経営施策は下位の施策を達成でき、最後の財務の視点の施策を達成できることになる。この経営施策のロードマップ(施策順序)を戦略マップと言い、経営施策を戦略目標と呼んでいる。

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